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26[終話2]ラブちゃんは草食系10/日置くんは嫌いと言われ喜ぶ

ぐいっとバスタオルを引っ張って、ふにゃふにゃに溶けている『ラブちゃんのおとぼけくん』をパクリ。 「ンァ!? お前、何してんの!」 ラブちゃんがおとぼけくんをパックンしているのを横目でチラチラ見上げながら、まだふんわりしている『ラブちゃんのおとぼけくん』をチュウっと吸い上げた。 まだスティック状にはなってないから、簡単に全てがチュパっと口に入る。 「あ……ちょ、ちょ……食ってる最中だって」 「ん、気にしないで食べて」 「気になるに決まってんだろ!!」 『ラブちゃんのおとぼけくん』は温かくて、シャワー後だからほとんど味がない。まだ半勃ちにもならないけれど、少しだけ芯を持ち始めた。 「ああ……もう、何考えてんだよ、日置のばか」 困ったような顔でアイスを咥えるラブちゃんが可愛い。 チュッと吸って舌を絡めると、ラブちゃんのアイスを舐める舌使いも少し艶かしく変わった。 「さっきヤッたばかりだろ?なんで今日はこんな積極的なんだよ」 「ん……だって。美味しそうだなって」 「ばか。美味しいわけない」 「ラブちゃんは……美味しい?」 「う、アイスはそりゃ美味しいよ」 見上げるとラブちゃんはチョコの部分を食べ終わり、ミルク色のバニラアイスを舐めていた。 ああ、アイスを食べてるだけなのに興奮する。 クッと根元を掴んで、クポクポと口から出し入れしながら、すっかり硬くなったモノを舐めしゃぶる。 ちろりと見上げると、ラブちゃんの腕にアイスが流れて白い線が伝っていた。 俺にしゃぶられたはずみでチューブを握りしめ、柔らかくなってるアイスを押し出しすぎてしまったらしい。 「もう、溢れた。バカ日置。ティッシュ取るからどけよ」 「いいよ。腕に流れたのは俺が後で舐めるから」 「……バカ。変態」 ポンっと頭を叩かれた。 けどそのまま俺の頭を優しくなでてくれる。 ラブちゃんのモノが俺の舌に反応してピクリと跳ねた。 「んはぁ……もう、ヤッたばかりなのに」 けどその声はアイスみたいにトロリと甘い。 「日置のバカ……。もう、嫌い。嫌いだ」 普段なら落ち込む『嫌い』も、優しく俺の髪をかき混ぜながら甘く甘く言われると、まるで『好きだ』と言われてるみたいだ。 「ラブちゃん……大好き」 「ぁあああもう、そんな言いかたズルイって。……ん…ぁ……もう、ヤだ」 ラブちゃんの手は優しくて、甘く紡がれる『ヤだ』という言葉もやっぱり『好き』にしか聞こえない。 「俺も大好き」 「ン……はぁ。なんだよ『俺も』って」 「……ん。なんだろうね」 「ああ、もうその含みのある言い方、ムカつく」 俺の頭を優しくポコポコと叩く。 駄々っ子みたいだ。 しっかりと勃ったモノを喉までグッと押し込むと、ラブちゃんの手が俺の髪をキュッと握り込む。 吐息も熱を持ち始め、落ち着きなく膝を擦り合わせはじめた。 ……気持ち良くなってくれてる。 嬉しい。 見上げるとラブちゃんが俺をじっと見ていた。 快感を堪えるような顔で、何か言いたげに唇を動かしている。 「日置……す……。その…好……きスしたい」 「え……?」 キス?……していいんだろうか。今咥えてるのに。 けどラブちゃんは俺の顔を引き寄せると、躊躇なくキスをしてくれた。 ……やっぱり甘い。そして、冷たいのに熱い。 「あーーー、もう!お前なに幸せそうに笑ってんだよ」 八つ当たりのような言葉をぶつけながら、甘えるように俺の頭にグリグリと頬を擦り付けてくる。 うっ。これは……。 もしかして今、すごく愛されてないか???? 気のせいか? 口は悪いけど、ぎゅうぎゅう抱きしめられて、なでられ、頬ずりされて……。 愛されてる……気がする。 はぁ……幸せだ。 チュッチュペロペロさせてもらって、さらにラブちゃんに好きになってもらえるという一挙両得。素晴らしすぎる。 戦隊ヒーロー写真作戦といい、霧島の告白作戦といい、小細工でラブちゃんの気を引こうとするとことごとく失敗してしまう。 けど、コレはいつも喜んでもらえるから……。 これからは余計な策は弄さず、ちょっとでも隙があったら、パックンペロペロを狙った方がいいかもしれない。 あれ……? でも、ヒーロー写真作戦は失敗だったのに、今日エッチしてくれたのはなんでなんだろう。 ……??????? 「……だぞ、日置」 「えっ?何ラブちゃん?」 「お、お前なんで聞いてないんだよ!もういい。しばらく言ってやんないから」 「えっ、えっっなに、なに?」 「日置なんか嫌いだって言ったんだよ」 むくれているのは照れ隠しのように見える。 「じゃあ、しばらくは俺のこと『嫌い』って言わないってこと?」 「あっ、そうか。そういうことになるのか!でもそうだな。今日いっぱい言っちゃったし、しばらくは『日置のこと嫌い』って言わないでおいてやるよ」 「……あ、でも好きって意味の『嫌い』なら、たくさん言われたいかも」 「はっ?『嫌い』に好きって意味なんかあるわけないだろ?」 ラブちゃんの顔がパーっと赤くなった。 「そっか。ラブちゃんは俺のこと嫌い?」 「そ、そりゃ、嫌いなわけないだろ?一応……付き合ってるんだし」 「だったら、なんでさっき嫌いって言ったの?」 「え……もう。どうでもいいだろ。ううー。もう、やっぱキライだっ!」 「……俺のこと嫌い?」 「うーっ。嫌いじゃないけど、キライ。ああ、もう日置のクセに生意気っ!」 怒るラブちゃんがどうにも可愛いらしい。 「ねぇ、ラブちゃん、やっぱりもう一回、嘘でもいいから好きって言って」 「……なんでだよ」 「いいから」 「なんなんだよ、もう」 ラブちゃんが恥ずかしそうに俺の目を見つめた。 「日置……………好き。……ウソだし」 そう言いながら俺にギュギュっと抱きついてくる。 こんなラブちゃんに甘えられたら『ウソ』と言われたって嬉しくってたまらない。 「恥ずかしいよ。ヤダ。もう今日なんかおかしい。もう変なこと言わせるのナシ。『嘘の好き』も、もう言わないからな」 「わかった。じゃあ『嫌い』も『嘘の好き』もなしで、本当の……」 いやダメだ。お願いして言ってもらったら、それはやっぱり『本当の好き』とは違うものになってしまう。 言葉に詰まって、ラブちゃんを見つめた。 好かれては……いる。よね? 俺と同じ強さでとは言わない、けどせめてもう少しだけ俺への気持ちを見せて欲しい。 「それは……そのうち。今日はナシ!」 「…………え。言って……くれるの?」 「だ、だから、そのうちちゃんと『好き』って言うってば!」 そのうちちゃんと……。 そのうち……なんて言いながら、今のは好きって言ってくれたも同然じゃないか。 ひたひたと感動の波が俺の胸を浸していく。 落ち着かないのか、ラブちゃんが俺の首筋を甘噛みしたり、背中に柔く爪を立ててカリカリと引っ掻き始めた。 「うー。変なこと言わせやがって。日置のバカ。バーカ。バーカ」 今度は肩をガジガジと甘噛みする。 まるで子供に戻ってしまったようなラブちゃんの様子に、俺の顔は緩みっぱなしだ。 「俺もラブちゃんのこと大好きだよ」 「当然だ。バカ」 「ふふっ当然か」 「当然だろ」 「うん、当然だね」 「やっぱバカだ」 俺が『大好きだ』と言うことを、当然として受け入れてくれることすら嬉しいんだって、ラブちゃんはわかってるのかな。 ラブちゃんの二の腕に垂れたままだった、溶けたアイスをペロッと舐めた。 甘い。 このまま甘くて可愛いラブちゃんを食べてしまいたい。 腕に唇を押し当て、舐めては吸い付く。 まとわりついていた液体は、すぐに舐め終わってしまった。 ラブちゃんが握っていたアイスのチューブをさっと受け取る。 底には少し溶け残ったバニラアイスが溜まっていた。 「あ……ちょ……何すんだ」 「ごめん。うっかり」 俺はラブちゃんの太ももに、ほんの少しだけバニラアイスを垂らした。 「何がうっかりだ。バカ日置。もう………くすぐったくするなよ?」 ラブちゃんも何をするつもりなのかわかっているらしい。 すっかり液体になったアイスがソファに垂れないよう、じっとしていてくれる。 温かな太ももにソロソロと舌を這わせてバニラを舐めとる。 ああ………至福!!! けど垂らしたばかりのアイスはべたつく事もなくすぐに舐め終わってしまった。 「バカ、もうダメだって」 反対の足にも絞り出そうとした俺をさっと止めた。 「……」 ラブちゃんの目をじっと見つめる。 「もう……またシャワー浴びないと」 ラブちゃんの制止していた手が、ダラリと垂れた。 こういう時にはラブちゃんの流されやすさが本当に嬉しい。 再び垂らしたバニラはやっぱり少量で、普通に舐めとれば一瞬でなくなってしまう。 けど塗り広げるようにすれば、少しだけ幸せの時間を伸ばせるだろう。 できるだけラブちゃんの太ももを、ゆっくり、じっくり、しっかりと……。 ラブちゃんを食って食われて、本当に素敵な食物連鎖だ。 もう少しだけ、この太ももだけ……美味しく、いただきます! 《4章-終》

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