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お正月SS:2018戌年 ※短いです
「戌年かぁ……。よし日置、お前今年一年オレの犬な?」
長い足の間にだらしなく座ったオレは日置を振り返った。
日置は今、オレの座椅子だ。
犬なら物から動物に昇格。
出世だな。
「犬……?ラブちゃんはほんと犬好きなんだな」
ふっと笑ってクシャっとオレの髪をなでる。
その後さらにだらしなく日置の顔が緩んだ。
……なんか違う。
オレが思ってた犬はそんなじゃなくって。
「ワン」
一つ鳴いてオレの耳を日置がパクリと咥えた。
…………。
まあ、いいか。
戌年なんか関係なく、いつだって日置は犬みたいだし。
オレはイケメンが台無しになるくらい日置の頭と顔をグッシャグシャになで回してやった。
◆
「戌年かぁ……。よし日置、お前今年一年オレの犬な?」
俺の足の間で甘えてくつろぐラブちゃんが、上目遣いで愛らしいことを言った。
「犬……?ラブちゃんはほんと犬好きなんだな」
わざわざ犬好きだと宣言するくらいラブちゃんは犬好きだ。
ラブちゃんに無条件に愛される存在、それが犬。
つまり俺がラブちゃんの犬になるってことは……。
あ………ああ……。
これは素敵な初夢……?
いや、現実だ。
ラブちゃんに溺愛宣言されてしまった。
一年と期限付きなのは気になるけど、俺は知っている。
一年可愛がった犬をポイっとできるようなラブちゃんじゃない。
クシャっとラブちゃんの艶やかな髪をなでる。
すると小さく目を瞬 かせた。
……かわいい。
どう見てもかわいい。
「ワン」
犬の鳴き真似をして、目の前のつるんとしたきれいな耳を咥える。
やんわりと歯をあて弾力を楽しみ、チュッと吸うと、ラブちゃんは子供みたいに首をすくめた。
「もー」なんて声を漏らしながらラブちゃんがクシャクシャと俺の髪をかき混ぜ、同時に顔もなで回す。
俺の犬扱いはすでに始まっているらしい。
ならば俺も犬らしく。
可愛い可愛いラブちゃんにありったけの愛情を込めて、柔らかな頬と鼻先をペロリペロリと舐め続けた。
……そしてやっぱりしつこいと叱られた。
……ワン。
U・x・U<おしまい
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