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參※
水曜日の朝、
朝食を食べる前に弟に喰われた透だった。
ダイニングで、
立ったまま抱き合って、
キスして、セックスした。
透はそんなことが日常化するなんて、思いもよらなった。
兄弟は母親と一軒家で三人暮らしだが、小説家の母親は別に仕事場のマンションがあり、そこで仕事をしていることが多く、自宅にはあまり帰ってこない。
暁が中学生になった頃から、そういう生活スタイルが出来上がっていた。
多忙な母親に変わって、家事全般を優秀な家政婦がしてくれるので、兄弟の生活に支障が出ることはなかった。
透は白い壁に両手をつけて自分の体を支えて、弟の欲望を肛門にねじ込まれて、喘いでいた。
後ろから攻められて、背中に弟の鼓動が伝わってきた。
お互いの密着した体からは汗がにじんでいた。
「……締めんなよ」
暁のかすれた低い声が、透の耳朶をかすめた。
「…締め、てなんか……ない」
媚びを含んだような甘いトーン。
(こんなの、オレじゃない)
「透は後ろからされるのが好きだろう?」
「……好きじゃないっ」
「さわってねぇのに、チンコがどろどろ」
「やん…ぁ」
透は最奥をえぐられて嬌声がもれた。
「ちっ」
暁が舌打ちして凶器を引き抜いた。
透は楔を失って体がへたりこんだ。
体の中に注がれた精液が栓をなくして、外にあふれてきた。
茶色のフローリングの床に、白い水溜まりを作っていく。
暁は立ったまま、透の髪をつかんで、顔を上向かさせた。
汗で額にはりついた前髪が、暁の目元を隠して、顔がよく見えない。
暁が透の前髪を掻きあげた。
「エロい顔」
と、暁は吐き捨た。
そして、いきりたった性器を、透の頬にすりつけてきた。
「しゃぶれ」
透は見上げたまま、首を横に振った。
「学校休む?」
「えっ?」
「舐めてくれないと、今からむちゃくちゃに抱いて、足腰立たなくするよ?」
「……どうして」
(オレなんだ?
おまえなら誰だって足を開くだろう?
女でも男でも、選り取り見取りなはずだ)
「ヤリたいから」
(したいときに、たまたまそばにいたら?)
「イヤだ。…いっ!」
暁に前髪を強く引っぱられた。
「おれがしてるみたいに、すればいいんだよ、お兄ちゃん」
「食いちぎるぞ」
「激しいのな。やってごらんよ」
暁はくすりと笑って、長い指で透の口をこじ開けていく。
指を突き入れて、口腔内を掻き混ぜていく。
口蓋をひっかかれて呻いた。
苦しくて暁を見返した。
黄色く見える目が、じっとみつめてくる。
「う、おぇっ…」
扁桃腺を刺激されて嘔吐感にえづいた。
指が透の口から抜けた。
透が床に手をついて息を整えていたら、暁がしゃがんできた。
暁の指先が、透の目尻にふれた。
「その程度で泣くか?」
「泣いてないっ!」
透がわめいたら、暁は肩をすくめた。
「元気すぎてホントに食いちぎられそう」
と、暁は笑みながら、透を床に押し倒した。
透の片足を抱えて、肛門に怒張した性器をあてがってきた。
透は押し入ってくる痛みに、身構えて目をつぶった。
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