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第6話
どのくらい時間が過ぎたのか。
喉の乾きで目が覚めた。
ふらふらと冷蔵庫までたどり着きペットボトルを取り出した。
「水…ん…」
ゴクゴクと音をたてて飲んだ。
んと、時間は…3時…。
変な時間に起きちゃったけどまた寝ようか。
フローリングの床をペタペタ歩いて再びベッドへと潜り込んだ。
「先輩~会いたい」
せめて夢の中で大好きな先輩に会えますように…。
先輩こと 柴田真幸 と出会ったのは高校生の時。
一年生だった僕は校舎の中で迷子になっていた。
その時偶然出会ったのが先輩だった。
言葉数は異常な位に少なかったが、不安な気持ちでいっぱいだった僕の手を取ってくれた。
ん?先輩、人見知りする子なのに…何で僕に声をかけてくれたんだろう…。
スマホが震える振動で目が覚めた。
「ん~、誰…って、もしもし、先輩!?」
『声が大きい…』
「先輩から電話が…夢?」
『じゃあ切…』
「嘘です、会いたいです…」
一連のお約束をこなして、先輩の部屋へ急いだ。
「先輩会いたかった」
ドアが開き、抱きつく勢いで突撃したのに、またもや昨日のイケメンに阻まれた。
「アンタ何?」
イヤ、このイケメン。
「昨日も言いましたが、後輩の事代堂です」
「帰れ」
言っている事が失礼極まりない。
先輩の知り合いじゃなきゃ当然怒ってる。
「先輩~助けて~」
イケメンをかいくぐって先輩のもとへダッシュした。
が、キッチンにもリビングにも姿は見えず、一番奥の先輩の寝室に入ると…絶景…コホン…あられもない姿の先輩がいた。
先輩は…何とも…倒錯的な姿をしていた。
後ろ手に縛られ、掛け布団に背中を預けている。
黒のビキニパンツと白いYシャツだけを身に付け、さらに朱い縄に縛られていた。
Yシャツがはだけて先輩の可愛い乳首は両方とも露になって、首から胸、足の付け根に朱い縄が食い込んでいる。
ゴクリと喉が鳴る。
非日常的な空間がそこにあった。
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