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第7話

「先輩、な…何されてんですか!」 どさくさに紛れてぎゅってしとこう! 「落ち着け」 え!その反応おかしいよ!『助けて』じゃないの? 「ちょっと隙をみせたらやられた…」 「えええ!!や…やられた…?」 あ、先輩の視線が冷凍ビームに見える…。 「…解きますね」 「…で、一体何が?」 「見ての通り、ふうっ」 見ても分からないですって…。 あぁ…眼鏡を直す仕草もすっごくカッコいいんだけどやっぱり気になる…あの人誰!? 「あの、入り口でこっち見てる人、どなたですか?」 失礼だとわかっていながら指差しした。 背の高いイケメンはTシャツにジーパンとラフな格好だが長い髪を後ろで纏めていて俳優?のようだ。 「…気にしなくていい」 今の間…めっちゃ気になるやつ…。 「お知り合い…ですよね?」 「…まあな」 先輩は乱れた衣服を着直す…あぁそこ!直さないでい いのに…。 何だか落ち込んできたな。 「先輩、僕は帰った方がいいですか?」 心に暗い影が広がって先輩の顔を見るのが辛くなりそう。 「…帰りたいなら…」 「居ます!ここに居ます!!」 僕が先輩に抱きつこうとすると、 「邪魔すんなよ」 イケメン、まだ阻んでくるか! 「…もういいだろ、修漣(しゅうれん)」 修漣と呼ばれたイケメンはふて腐れた表情をした。 「…俺をもっと甘やかしてよ!ユキ!」 「今日はもう帰れ」 「くっ…」 イケメンは悔しそうな顔をしたが、黙って背中を向けて、出ていった。

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