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第14話

医務室で処置をしてもらい、そのまま昼食を取った。 …一人で…。 先輩はまだ作業したまま。 「あ~あ、ヘマしちゃった…」 反省しながらお茶を啜る。 先輩、顔色を悪くする位ビックリしてたな。 前にやった時は確か先輩が泣き出して……。 前っていつだ? 泣いた?先輩が? あれ? 前もあった、このシチュエーション…。 あの時は体にもっとたくさん掛かって…。 背中からぶるっと震えた。 すっと自分の体温が下がるのが分かる。 …そうだ、身体中にかかって、熱くて痛くて…皮膚がつれるような痛み…。 浴びた感覚は残っているのに、いつかがわからない。 記憶が曖昧になるほど昔? でも体には何の跡も無い。 おかしい。 僕はどうしちゃったんだろう…。 立ち直れない位に落ち込んで、でも会社員たる者、気力を奮い起こして仕事に戻った。 早く先輩の顔をみて元気になろう~。 「事代堂戻りました~」 白衣を手に取り袖を通す。 部屋に居るべき人達が…いない。 んんん? 奥の前処理室かな。 ドアに近づき上方の小窓から中を覗くと田中さんと先輩が……近い、近いよ!! 先輩が田中さんに持たれかかってる…。 二人って…デキてるの? 僕は先輩と恋人同士だと一人で浮かれてたの? 立っていられずドアの前でうずくまり、頭を抱えた。 悲しくなって泣きそう、と思ったらドアが開き田中さんに踏まれた。 本気で泣きたいんですけど…。 「志摩ちゃん、ごめんね。大きいのに小さくなってたから見えなかったよ」 一応謝る田中さんに顔色が戻りきらない先輩。 「僕は大丈夫ですけど先輩の方が大丈夫じゃないですよ。顔色が悪いままじゃないですか」 「あー、それな。志摩ちゃん心配してるし、ユキは休んできて」 ま・さ・か・の名前呼び!! この二人ってそんなに仲が良かったんだ…知らなかったよ…てゆうかショック…。 「ほら、志摩ちゃんは続き続き」 「ふぁ~い…」 いくら悲しくても、慣れた手は作業をスムーズ行っていった。

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