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第21話

先輩をマンションに送り届けて 「じゃあ僕、帰りますね」 と、名残惜しくもドアを閉めた。 否…閉められなかった。 先輩がドアの隙間に足を突っ込んで閉められずにいた。 「どうしました?」 「……」 俯いて黙って…。 「…一緒に…いましょうか」 「……」 黙って頷く先輩。 僕は誘われるまま、先輩の部屋に上がった。 「オレと修漣は兄弟だったんだ」 「そうだったみたいですね。その辺は覚えてないんです」 腕の手当てをしてもらい、先輩はベッドに僕はその近くのクッションに座って話す。 「でも、兄弟だったのは一回だけ」 「…」 「何度か生まれ変わったけど修…棗とは付き合うとか恋人とかそんな関係には一度もなってない」 先輩、辛そうに見える…。 先輩の目が僕を捉えた。 「俺はいつだって志摩の事が大切だった。なのに…」 俯いてしまった先輩…。拳をつくって、肩が小さく震えている。 「…いつも守りきれなくて…失う悲しみに耐えきれなかった。出会いたくなくても出会ってしまう、好きになりたくなくても惹かれてしまう…」 ああ、この人は本当に僕の事を大切に思ってくれてる。今度は僕がこの人の支えになろう。 「大丈夫、僕は生きてます。先輩…ユキと一生一緒にいます」 「…志摩は過去に縛られなくていい…俺と棗だけで十分だ」 いとしい…。 過去の僕は何度か殺されてしまったみたいだけれど、それでも… 「…僕はユキを愛しているんです」 膝立ちになり先輩の頭をそっと引き寄せて口付けた。 「…ん…」 目から溢れる光の粒も全部舐め取る。 「もう、一人にはしませんから、ユキ…」 シーツの波に先輩を沈め、瞼にキスした。 震える先輩の手が僕のシャツを脱がす。 僕も先輩の衣服を次々と脱がして…裸で抱き合った。 「志摩…しま……しまの…」 ん?しまの? 「しまの、って誰です?」 「…だから志摩の最初?の名前」 あー、誰かと間違えた訳じゃなかったのか! (あの時、先輩は初めから僕が誰だか判って…!) 「大好きです…ユキ…」 夢中でキスをした。 全身を撫であげ、快感を呼び起こすように…。 「ユキ……」 向かい合う形で僕の昂った熱をユキの窪みにあて、ゆっくりと挿入した。 「あ…あぁ…」 閉じた瞼の端から涙が落ちる。 折り畳んだ脚を高く持ち上げ深く突いた。 「あんっ…んっ…」 ゆっくりと、深く…。 ユキの中心は勢いよく反り返り、濡れている。 「ユキ…愛しています…」 僕のことばに頷き、手を伸ばしてくる。 抱き締め、キスをする。 「んんっ…」 ユキの中が収縮し、僕は堪えきれずユキの胎内に熱い飛沫を放った。

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