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第23話
貯まった仕事をせっせと片付けているので、なかなか先輩に会いに行けない。
僕の中の先輩メーターが点滅してる…。
休日、先輩に会うために…平日はエブリデイ残業確定なのに…。
金曜日、辛い仕事をウキウキ(←空元気)と終わらせた21時、ロッカーで先輩からのラインが入っているのに気がついた。
『まだ会社にいる。土日アッセイ入った。出勤する。月曜日は休み』
まさに目の前が真っ暗って感じで暫し立ち尽くした…。
先輩に会っていちゃいちゃするために仕事を詰めてたのに…!
こんなに頑張ってお仕事をしているのに先輩が土日出勤するなんて…!!
がっかりしたが、閃いてしまった…。
僕は課長にメールを送った。
「先輩、お疲れ様です」
土曜日、分析室に顔を出した。
「…来たんだ」
「今日は僕も一日お仕事をしてますから時々会いに来ますね」
「…わかった」
先輩からのラインの後、課長に平日休むから土日出勤します、というメールを送って、許可を得たのだ。
業務内容的には問題ないはず。
これで堂々と月曜日は休める!
土曜日、静かな館内には僕のスキップに似た足音が響いていた。
一人だけの仕事場は快適空間だった。
めちゃくちゃ集中して内線が鳴っているのも聞き漏らすところだった。
「おまたせ致しました。営業企画管理部 事代堂です」
「志摩?メシは?」
「先輩~嬉しいです~」
「は?メシだって」
ああ、イケナイ…先輩からの電話でテンションあがっちゃった。
「まだですけどって…2時…」
「俺は食べに行くけど、志摩はどうする?」
「も…もちろん行きます!」
慌てて受話器を置いて、3Fの先輩の元へと急いだ。
「定食屋でいいよな」
「はい」
ランチデートと浮かれていたら相席で、そこには田中さんと…同期の伊藤がいた。
伊藤薫…僕の同期で…まぁ、ちょっとあった…うん、出来れば先輩と一緒には会いたくない人…。
何だか嫌な予感しかない…。
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