40 / 115
第40話
「…う~ん…気持ち悪い…」
「どうする?吐く?」
「…そこまで…じゃ…ない…」
困った…。
薫が…酔っ払った…。
薫の家はどこだろう…。
僕の家…には連れて行きたくない…。
しょうがない、ホテルに泊まるか…。
僕は近くのビジネスホテルに向かった。
「薫、薫、わかる?」
顔色は悪くないけど…酔って意識が戻ってきていないから心配でツインをとった。
先輩に会えないし、薫の面倒見なきゃだし…ツイてない…。
「あ~あ、シャワー浴びるか」
皺になりそうな薫のスーツを脱がせ、ベッドに寝かせてからバスルームに入った。
全身を洗ってバスタブに浸かっていたらガチャンと音がして…薫が入ってきた。
「具合は?吐く?」
全裸の薫はトイレ…ではなく僕が浸かっているバスタブにジャブンと入ってきた。
「か…薫?」
「俺も…はいる…」
まだ酔ってるのかな?
「酔ってると危ないよ」
「ん、へーき」
止めて、この可愛いふり!
「おっと…」
ぐらっと薫の体が揺れて僕にしがみついた。
「あんっ!」
「わわっ!」
体をくっ付けないでぇ~!!
そのまま僕の首をぎゅ~っと抱き締める。
引き剥がそうとしても、物凄い力で剥がれない。
「ことくん、俺のことキライ?」
え?それ聞く?
「薫のことは嫌いじゃないよ」
「…じゃあ…好き?」
…答えなきゃ駄目かな?
「…嫌いなんだぁ…」
「言ってないよ?」
「じゃあ、好きなんじゃん!」
「それも言ってない」
ぷうっ、と頬を膨らませて拗ねる薫…。
質の悪い酔っ払いめ。
「もうあがろ…」
言い終わる前に…口を塞がれた…。
ちゅうう~と吸われ、薫の指で物理的に口を開かされてディープなキスをされた。
先輩、たすけて~!!
乱暴なことはしたくない、けど、このままも嫌~!
ああ!腰を擦り付けて…しかも酔ってるのに勃ってる…!
うう、…怖い…。
意を決して両方の薫の乳首を思い切り摘まんだ。
「あんっ」
よしっ!力が緩んだ!
僕は薫の腕から抜け出し、バスタブの栓を抜いて部屋に逃げた。
ともだちにシェアしよう!