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SS-4-7『温泉に行こう』

「ぉはようございます」 始業時間ギリギリで入室した。 朝礼が始まり、連絡事項を確認する。 「…となってますので、ご承知おき下さい。他には…」 あぁ…話が入ってこない〜。 「…志摩ちゃん、終わったから」 柿崎さんに言われてデスクにもどり、パソコンのスイッチを入れた。 「志摩ちゃんぼけぼけだね。大丈夫?」 「…だ…大丈夫で…す…」 本当の事なんて言えないし…。 はは…と引きつった顔で答えた。 それから会議に出たり、書類を作ったり、仕事に気持ちを集中しだしたタイミングで部長から声が掛かった。 「志摩…急だったけど有給申請通したからお土産よろしく」 「あ…ハイ…」 …温泉…。 行く…って言っちゃってるし…行くよ…ね…(自問自答) 悶々としていたら十二時を知らせるチャイムが鳴った。 「あ〜先輩どうするんだろう…」 いつも昼休憩の連絡は僕からするんだけど… 「先輩から連絡くるかな?」 よし!今日は待ってみよう! 先輩から連絡が来るまで仕事を頑張ろう! 「志摩ちゃん元気ないね」 そろそろ終業時間。 見かねて…だろうな…柿崎さんが僕に声を掛けてきた。 「…そんな事…無いですよ…はは…」 「コレあげるから、ハイ」 「何か…すみません…」 目の前にゼリー飲料を差し出され、僕は有難く受けとった。 ちゅーっと空きっ腹にゼリーが入ると…ビタミン的な匂いが鼻から抜ける。 宇宙食ってこんなんかな? パッケージにカロリー&ビタミンとプリントされていた。 「美味しい?」 「…お…美味しい…です」 柿崎さんが僕を優しい顔で見てる。 「少し元気になったね」 柿崎さんはそう言って、僕に手を振って帰った。 いい先輩だよね。 僕、何してんだろ? 急ぎの物は終わらせたし、僕も帰ろう。 帰って先輩と話をしよう。

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