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SS-4-25『温泉に行こう』
無防備な寝顔。
はだける浴衣。
絡みつく手足。
…温泉サイコー!(ガッツポーズ)
「…ん…?志摩?もうちょっと寝よう…」
僕の浴衣の合わせを掴み、先輩は再び夢の中へ。
可愛い…
僕に全てを許してる♡っていうこの感じが堪らない。
ほっぺをつんつんして、んっ…なんて反応しちゃうのがいい。
ずっと見ていられる。
…ピンポーン…
「ン?」
誰だろ?
宿の人?
名残惜しいが僕に絡みつく先輩の脚と指をそっと外して玄関へ。
歩きながら着崩れた浴衣を直して扉を開けると…
「どちら様でしょう…」
日本人には見えない、金髪碧眼の少年が無言で立っていた。
その少年は表情を変えることなく僕を見上げ…チェーンロックの掛かったドアを開けようとした。
「ダメだよ、開かないんだ」
隙間から手を伸ばし、僕の浴衣を掴む。
一向に変わらない表情の奥、彼の瞳は何かを訴えているように見えた。
「しょうがない、待ってね」
ただ追い返すのも罪悪感を覚え…僕は扉を開けた。
「志摩…その子…」
「部屋の呼び鈴を押して、中に入りたそうにしてたから…入れちゃいました」
Tシャツにジーパン姿のその子は僕の身体に抱きつきながら、隣に座っている。
年齢は…十四、五歳って所だろうか。
「若葉…そうか、志摩が気に入ったのか」
「え?!」
…知り合いなの?!
言葉を続けようとしてもビックリして口がハクハクするだけで喋る事が出来なかった。
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