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SS-4-27『温泉に行こう』

「君が志摩くんか!」 先輩のお父さんはやはりイケメンで百八十センチを超える僕より背が高くとてもフレンドリーな人で、会うなりギュッとハグしてさらに僕の隣に座って朝食を食べている。 反対側には若葉くん。 正面には先輩のお母さん…。 目の前に豪華な和食の朝食が並んでいるのに…手が出せず…落ち着かない…。 「真幸と一緒に住んでくれてるんだろ?ありがとう」 うぅ…お父さんはどこまでご存知なのでしょう…。 「親父、志摩が朝飯食べられないだろ」 「おっと、ごめんね志摩くん。後でゆっくりと、ね」 「ははは」 と軽く愛想笑いをして、ようやくご飯が食べられる…。 納豆を混ぜてご飯にON! 「ん?」 納豆ご飯を若葉くんがじーっと見てる…。 「若葉くんもご飯食べようか」 こくん、と頷いてなぜか差し出す納豆。 「同じくしようか?」 再びこくんと頷く。 タレと…カラシはいらないか…ちょっとネギを入れて混ぜて少しだけご飯に掛けてみた。 「あ〜ん?」 そう言うと若葉くんの口がパカッと開いてスプーンで一口投入。 モグモグしてまた口が開いたから、ま、嫌いじゃないんだろう。 「ほら、自分で食べてみよう?」 茶碗とスプーンを渡すと慣れない手つきで食べだした。 「あら、すっかり志摩くんに懐いちゃったわね」 「会ったばかりなのに凄いねぇ、志摩くん」 …?分からん。 解説を求めて先輩に目で合図を送った。

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