102 / 115

SS-4-30『温泉に行こう』

「やっと二人きりの夜ですね、ユキさん」 ふたつ並んだ敷布団は隙間がないように敷かれて、ボクもユキさんも浴衣で寝転んでいた。 「ん…」 ユキさんは僕の浴衣の袂を指先で引っ張っている。 …何だ?やけに先輩が可愛い… いや、いつもそうだけど…素直っていうか… 「志摩…俺はどんな事があっても…」 「…どうしたんです?かしこまって…」 少し困り顔をするユキさん。 「ん…何でもない。それより、志摩…」 モゾモゾとユキさんが僕の布団に入ってきて頭をスリスリと胸に擦り付ける。 「…抱いて…」 …! 「ユキ…」 顔を上げたユキさんの唇に自分の口にを押し当てた。 僕に応えてすぐに口を開き、舌を迎えてくれる。 舌先を舐って、ん…と気持ちよさそうに声を出すと少しユキさんの身体は緩んで、それを合図にして僕は浴衣の合わせから手を差し込んだ。 白く滑らかな肌を這う僕の手は脇腹から胸、首筋をなぞった。 恥ずかしいのか、ユキさんはすぐに向こうを向いてしまったが、肩が小さく震えていたのできっと気持ちいいのだろう。 浴衣を両肩が見えるまでずらし、上から眺めた。 肌が少し赤くなり、僕は自分が興奮しているのを感じた。

ともだちにシェアしよう!