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SS-4-32『温泉に行こう』
温泉でた〜くさん先輩とイチャついて、もう幸せでたまらない。
「コラ、志摩」
ニヤニヤしながら発表を聞いていたら隣から先輩に叱られた。
「発表が終わったらポスター見に行くから」
「は〜い」
今日は先輩のお供で学会に参加している。
発表は無く見るだけなので気持ちは軽く、デート気分だ。
「志摩、今日は出席者が多いから気をつけろよ」
「はい、分かってます」
大人だからね!
多分、大丈夫!
午前の部が終わり、ロビーをふらふらしていたら腰に衝撃が。
「若葉くん!」
僕と目が合って…笑ってる?!
「志摩くん、すまない。若葉はこっち」
イヤイヤをするように首をふる。
「志摩くんに迷惑かけない。ポスターのボードの差し替えの邪魔になると危ないだろ?」
「僕は大丈夫ですけど…何か…変わりましたね。表情が出てきたっていうか…」
「そうなんだ。志摩くんと会ってから若葉が活発になってきて…若葉!」
お父さんの声にビクッとしても僕から離れないって、随分と気に入られちゃったな。
「あの…先輩見ませんでしたか?」
「真幸なら…ほら…あそこ…」
お父さんが指さす先にはポスター発表のボードがありちょうど差し替えをしていた。
その先にポスターを真剣に読んでいる先輩がいた。
駆け寄りたいが若葉くんが絡みついていて近寄れない。
仕方なく呼んでみる。
「先輩〜」
僕の声に反応した先輩は急ぎ足でこっちに向かって来て…
…ポスターのボードが斜めになり先輩を掠め…
…倒れた。
『温泉に行こう』ー終わりー
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