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第12話※

次の日、駅に着くと、 「どこで買うんだ?」 遥希に尋ねる。 「少し遠いですけど、二駅先の電気屋が安いです。俺もそこで買ったんで」 電車に乗ると遥希の後に着いて行く。未だにこの近辺の事は分からず、地元の人間に頼るのが一番だと思い、ひたすら遥希の後を追った。 大型の電気屋に入ると、目的のパソコンを購入する。ついでに遥希に勧められてソフトも購入した。目の前にあったハンバーガー屋に入り、遅めの昼食を軽く済ませる。 「もう4時か。そろそろ帰るかー。明日も仕事だしな」 ここから一駅先まで行けば自分のアパートだ。このまま帰ろうと思った。スーツは遥希のアパートにあるが、いつでも取りに行ける近さだ。 「俺、このまま自分のアパート帰るわ。スーツは明日の帰り取り行くから、預かっておいて」 そう言って遥希を見ると、明らかにしょんぼりとしているのが分かった。まるで捨てられた仔犬のような顔をしている。 (さすがに3連泊はまずい気がするけど……) だが、何となく自分も別れ難く、 「今日は俺んち来るか?」 そう言うと遥希は目を丸くしたが、コクリと小さく頷いた。 瑛士のアパートに着き、中に遥希を通す。 「お邪魔します……広くていいですね」 「市街から外れてるから、家賃も安いぞ」 「散らかってるけど」 「じゃあ、掃除して」 「お断りします」 「そうやって生意気言うおまえを、皆んなに見せてやりたいよ」 「柴田課長だとハッキリ言えるみたいです、俺」 遥希が勝ち誇ったような顔をしている。 「気が強い奴は嫌いじゃないけどな」 そんな顔を崩してみたくて、遥希の顎を掴むとキスを一つ落とした。不意のキスに遥希は面食らっている。その顔が可愛いく見えて、何度も啄むキスをする。唇を離し遥希の腕を取ると、寝室に連れ込みベットに押し倒した。 遥希を組み敷き、Tシャツを脱がすと首筋から胸元へと舌を這わせ胸の中心を口に含む。 遥希から、あっ……と声が漏れた。 (男でも乳首って感じるんだな) しつこく乳首を舐めていると、 「しつこい……です……」 そう言って遥希は掌で瑛士の頭を力なく押した。 遥希の下をも脱がせると、細く薄い体が露わになり、遥希は恥ずかしそうに顔を背けている。 「おまえ、細いよなー」 薄い腰回りを掴み、そこにもキスを落とした。 「んっ……」 小さく吐息が漏れた。 瑛士は上を脱ぎ遥希の中心に手をかけた。自分の中心も下着から出し一緒に握り込むと扱き始める。 「あぁ……あっ……んっ」 艶めいた声が洩れ、色気のある遥希の顔はいつ見てもいやらしい顔だと思った。 (くっそエロ……あー、挿れたい……) だが、今日も最後までやる勇気は瑛士にはなかった。 「天野、うつ伏せになって」 「え……?」 戸惑う遥希を無理矢理うつ伏せにし、腰を掴んで持ち上げた。 「あっ!な、何……!」 遥希の太ももに硬くなった中心をあてた。 「俺のここに挟んで、足閉じて」 言われるがまま遥希は内腿で瑛士の中心を挟むと、ぎゅっと内腿に力を入れた。瑛士はその状態で腰を動かし始めた。 自分の中心と遥希の中心が擦れ、動きと連動する水音が遥希の羞恥心を煽っているのか、恥ずかしそうに枕に顔を埋めている。 「やっ……あっ……!は、恥ずか、しい……これ……んっ……」 「素股……やった事ねーか?」 耳元でそう言うと遥希は大きく首を振った。 「おまえのと擦れて、気持ちいいな……」 「……っ、はぁ……」 遥希の背中に唇を落とし、時折甘噛みをし顔をこちらに向かせて唇を塞いだ。 瞬間、遥希の体が小さく震えた。 「も、もう……イク……」 そう遥希が呟くと、 「俺も出そう……」 瑛士も絶頂を迎えそうになる。 だが先に、遥希が達してしまったようだった。瑛士も続くように吐精し、ブルリと大きく体が震えた。 「はぁ……」 パタリと瑛士はベットに大の字になり、遥希は横でうつ伏せのまま、枕に顔を埋めている。 「気持ち良かったな、素股」 「言わないで下さい……」 遥希はそう言って頭から布団を被ってしまった。

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