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第3話 高校時代②
クラスの人気者が中心となり、大晦日にあるバラエティ番組の内容を模範し、笑ったらタイキックをして遊んでいた。俺は机で突っ伏していると、ぎゃはははっ、と楽しそうな声が近くでする。
「デデーン!アウトー!」
「ターイキッーク!!」
「ぐああ!痛ぇー!」
「わっ」
ガタンッと音を立て、俺にも衝撃がきて、むかっとしながらも顔には出さず、顔を上げて状況を確認する。タイキックされたクラスの奴が俺の机にぶつかったらしく、パチっと目が合った。
「あー成ちゃん謝んないとー!」
「…ああ。ごめんな。大丈夫?」
「うん…。」
別に机に当たっただけだったので、俺は何ともない。机が斜めになったので、戻していると人気者が俺に声をかける。
「ねえねえ!いつも、1人でつまんないでしょ?一緒にやろうぜ〜。」
「えっ………俺?」
「そうそう!」
人気者の目線は俺を捉えているが、まさか誘われると思わず尻込みしてしまう。
「い、いや…俺は……大丈夫。」
「えー!何だよノリ悪りなぁ〜。」
ワントーン低い声で言われ、場の空気が少し変わるのを肌で感じ、肝が冷える。
「じゃ…じゃあ一緒にいい…?」
「っしゃ!そうこなくっちゃ〜。」
それからは人気者の気が俺に向くと、時々グループに入れられた。遠くから見ていたら楽しく笑い合っているだけのように見えていたと思うが、無茶ぶりや命令形でお願いされるのが常であり、俺は人気者グループ全体でいじられるようになった。
これを機に、仲の良かった友人は俺に近づかなくなり、クラスの大人しいグループも関わらないように見て見ぬふりをしていた。
『イジメ』
ふと頭をよぎるが、いじられているだけだ。他には何もされていないと、思い直す。
人気者にいじられるのは高3のクラス替えまで続いた。特にいじられが悪化することなく、俺も学校に休まず登校できたのは今思い返すと救いだったと感じるが、当時はクラスの中で根無し草のようにふよふよ浮いている自分には誰も敵も味方もいない状態でただただ辛かった。
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