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第21話 病院にて②
「眠らせてやるって、どう…んんっ」
噛みつかれるように唇を塞がれ、少し開いた隙間から下が潜ってきた。
「ん、っ……あ」
抵抗しようと力を入れるが、巧みな舌使いに翻弄される。病衣のズボンと下着をぐっと一緒に下げられ、下半身が露わになる。すると、桐ヶ崎は躊躇なく俺のペニスに触れ、上下に動かし始めた。
「んんっ!…っや」
ここ1ヶ月は触らずに放っていたので、簡単にそそり勃ち、すぐに限界を迎える。
「んん、…あっ、んんん〜っ!」
深く口を合わせながら絶頂した。キスのせいで上手く息が吸えず、肩で呼吸をしていると、俺の精子で濡れた指が陰嚢の後ろに隠れていた蕾にぐっと入ってきた。
「んんっ!?…バッ…っ!やめ…っ」
ここは病院だぞ?!何やってんだ!どんどんと強く桐ヶ崎の胸を叩くと唇が離れていく。
「お前馬鹿か!」
「静かにしないと、また看護師さんくるよ。」
「……っ」
下半身丸出しで桐ヶ崎の手には精子がついており、何があったかすぐわかる。見られるわけにはいかないのでグッと声を我慢した。
「廊下の電気消えたし、呼ばない限りは来ないよ。さ、セックスしよう。」
「しねぇよ!んあっ」
前立腺をグリッと触られ、思わず声がもれる。慌てて手で口を塞ぐ。
「可愛い声だけど、静かにしなきゃ。」
「〜〜っ!」
ツーっと唾液を蕾に垂らし、滑りを良くして2本、3本と指を増やしていく。誰か来てしまうんじゃないかという怖かったが、迫りくる快感をしっかり汲み取ってしまい、ペニスは再度硬く存在を主張していた。
「入れるよ。」
「…だめっ、んあっ!んん〜つ」
桐ヶ崎はズボンを少し緩め、そり勃ったペニスをグッと俺の中に侵入させた。
2回目のセックス。こんなところで駄目だ、拒否しないといけない…と頭ではわかっているのに、好きな人と身体を繋げているこの状況に身体は歓喜していた。
「トコロテンしちゃったの?可愛すぎでしょ。」
「……っ」
自分のペニスを見てみると新たに白濁液をトロトロと零していた。恥ずかしいやら、混乱やらで涙が目に溜まる。目に溜まった涙をまるで映画のワンシーンのように、桐ヶ崎が目尻に口付けしてきた。
桐ヶ崎は腰を動かさずに、俺を強く抱きしめてきた。ムスクを含む香りが俺を包み込む。興奮するような、でも落ち着くような桐ヶ崎の匂い。
「栗原。」
桐ヶ崎が俺を呼ぶ。
「俺、やっぱり栗原のこと、好きだ。」
「…っ」
「大学で栗原についていくって決めた時、何でそんな決断したんだろって時々考えてた。でも、ここ最近わかったんだ。栗原と一緒だと、将来が見える。心理士目指してる時は、心理士として進んで定年まで働いて、誰かと結婚してって曖昧だったけど、栗原の話大学で聞いたとき、こうやって一緒に会社やって、会社辞めた後も、2人でどっか出かけて、老後もゆっくりお茶啜って。そんな想像が出来たんだ。」
俺は目を見張った。長く一緒にいたが、桐ヶ崎が何で俺と会社をする気になったかはよくわかっていなかった。
「……そんな風に思ってくれてたのか。」
すごく盛大な告白をされたみたいな内容で、むず痒い嬉しさが溢れてくる。
「まぁきっかけは栗原の熱烈な告白だけどね。」
「え、あの醜態がきっかけかよ。」
「醜態って…。好き好きってアンアン喘いで最高に可愛かったけど。」
「記憶から抹殺しろ。バカヤロウ。」
「痛っ。頭叩かないでよ。」
尻には桐ヶ崎の熱い猛りが挿されたままでドクドクと脈動を感じながら、小さな攻防する。動いてないのに萎えないなんてすげぇな、なんて思っていると再びぎゅっと抱きしめられた。外からも中からも桐ヶ崎でいっぱいになる。
何だかセックスは気持ちいい事をするだけだと思っていたけれど、こうやってセックス中に会話してたら、全身を使ったコミュニケーションツールでしかないんだなと思った。
「……俺、別れるから付き合わないとか、ちっちゃい事考えてたんだな。」
「ん、そうだよ。ちっちゃい事だよ。だから付き合おう。」
「ったく、お前のその軽さが原因だけどな。」
「それは…、言い返しません。」
「ぶぶっ、いい判断だ。」
俺は笑いながら随分前からあった身体の奥にある重たい何かが軽くなっていく感覚があった。なんだろう。すごく身体も心も満たされていく。温かい、適温のお湯に包まれたみたいだ。
「桐ヶ崎。」
「ん?」
「ずっと好きだった。そして多分これからもずっと好きだ。」
桐ヶ崎は目を見張ったあと、蕩けるような甘い顔をする。
「多分、は余計じゃない?」
「先はわからんからな。でも桐ヶ崎が言ったように、俺もお前とはずっと一緒にいるのが簡単に想像できるわ。」
「本当?」
「ああ。俺もまたこうやってセックスしたいし、恋人としてデートしてみたい。」
花が開くように桐ヶ崎の顔がさらに綻んでいく。
「………っ、いっぱいして、いっぱい色んなところ行こう。」
「ああ。」
ぎゅう…と力強く抱きしめられる。心地よくて、フワフワしてくる。
「ああ、……眠くなってきた。眠れそうだ。」
「えっ。それはちょっと待って!じゃあ動くよ。」
「ん?眠れるようにするためのセックスじゃなかったのかよ。」
「えっ、いや、そうだけどっ。折角付き合うようになったのに、このまま終わるのは嫌だ!」
「まあそうだな。じゃあ気持ちよくして。」
チュ、と軽いキスをすると、桐ヶ崎がすかさず深いキスで返してくる。
止まっていた腰がゆっくりと動き、快感を追い求めるように徐々にスピードを上げる。
「んっ、…っ、んぁっ」
「好き。好きだよ、栗原。」
「あぅ!…っ、…っ!お、俺もっ、好き!」
ペニスも同時に攻められて、頭の中がイきたいの一色に染まる。
「……っ、俺もイクよ…っ」
「はっ、あっ……、んっ、んん〜っ!」
激しい腰使いに、2人同時に吐精した。
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