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第3話

 入浴やらを終えて、レオンは一般兵舎から司令官部屋へと移動していた。クロードの部屋は4階にあり、レオンの部屋からは階段を上がらなければ行けない。  大抵の人はもう部屋に引きこもっているか、食堂で酒を楽しんでいる時間。だからこそ誰にも会わずにクロードの部屋に行くことができた。  ドアの前には就寝中を知らせるプレートが掛かっていて、周囲は静まりかえっている。それでなくても4階はクロードの部屋以外、夜に人の出入りのある部屋はない。こんなプレートをいちいち掛けなくても誰も彼を起こさない。  これは合図なのだ。「誰も入るな」という意味と、レオンに対しては「部屋にいる」という意味だ。  一つ溜息をつき、気合を入れる。明日が休みだから、今日はきっと大変なのだ。 「レオンです。失礼します」  一応一言伝えてからノブを回し部屋に入ったレオンは、案の定な光景にただただ溜息が出た。 「レオン……」 「いつからこの状態なんだアンタは!」  急いでドアを閉めて鍵をかけたレオンはどこからツッコめばいいのかもう分からない。  クロードはベッドの上に全裸で乗り上げ、引き締まった体を興奮に染めてレオンを待っていた。恥ずかしげもなく晒された股間には期待から半勃ち状態の愚息が先走りを溢している。  皆の憧れの上官は、とんでもないド淫乱のド変態なのだ。 「だって、待てなかったんですよぉ。早くレオンに見てもらいたくて……あぁ、でもその間に期待もあって、一度……」 「こっっっの! クソ変態!」 「あぁ、その罵倒もうちょっと強めでお願いしますっ」 「罵られて反応すんな!」  そして残念なドMなのだ。  前に一度、魔獣の不意打ちを食らったレオンをクロードが庇って怪我をさせてしまった事があった。この頃はまだこの人のどうしようもない性癖を知らなかったから、皆と同じく憧れていた。「この人になら一度くらい、間違いがあっても許せる」くらいには好きだった。  けれどこの時天性のツッコミ癖と心配から怒ってしまったのが、全ての終わりだった。  それ以来、何故かもの凄く口説かれて了承して恋人に。ドキドキしていたらこれだ。  この人、レオンくらいの年下に罵られ、痛めつけられると興奮するらしい。どうしようもなくこっちは終わってる。  ベッドに近づいたレオンを待っていたとばかりのクロードは恍惚顔で待てをしている。早く触りたくてたまらないという顔だ。  見れば確かに一度達したのだろう。シーツはそれらしく汚れている。ということは一度出してやや萎えたのか。 「待ても出来ないんですか、アンタは」 「ごめんなさい。でも、触ってません」 「触らないで妄想だけでイクとか、どんな変態ですか」  こっちはやや呆れてるのに、クロードは嬉しそうだ。だからこそ意地悪もしたくなる。  レオンは思いきり見下しながらクロードに命令した。 「俺に、触りたいんですか?」 「触りたいです、レオンくん。欲を言えば咥えたいです」 「ダメです。そんなに欲しいならご自分で触ってイッて下さい、隊長」  名前を呼ばないのは、その方がこの人が興奮するから。「隊長」と言われると、隊長なのに部下に罵倒されていけないことをしている感が増すそうだ。どんだけだ。  クロードは正しくレオンの命令を理解したのか、うっとりと緑色の目を蕩けさせ、綺麗な顔に緩い笑みを浮かべる。 「では、出来たらご褒美ください」 「……いいですよ」  瞬間、もの凄くいい顔をされた。  躊躇いもなく期待に先走りを流す自身を握り込んだクロードが、緩やかな動きで手を上下させる。ねちっ、ぬちっという粘り気のある音がして、それに艶っぽい吐息が混じる。大きく足を開いて、むしろ見せつけるようにしている事に肌が赤く染まっていった。 「恥ずかしいのに気持ちいいなんて、ほんとド淫乱ですよね」 「っ! はぃ、私はド淫乱です」 「俺に見られて気持ちいいんですか?」 「あぁ、気持ちいい、ですっ」  手の動きが少し速くなって、淫らな音が大きくなる。少し萎えていたものがしっかりとそそりたって、気持ち良さそうだ。 「ご立派なものぶら下げといて童貞で、俺みたいな年下にケツ孔いいように弄くられてよがってるなんて、男として情けなくないんですか」 「あぁ、ダメですそんなっ、もっと言ってください!」 「何一人でイこうとしてるんですか。出したらご褒美なしですからね。お預けですよ!」 「へぁ! あぁ、そんなぁ、ここまで……んぅぅ!!」  もう出そうなのを分かっていて言ってやったら、クロードは思いきり焦った様子で目をぱっと見開き握り込んでいた愚息を思いきり力を込めて握った。  それでもここまで登り詰めたら簡単じゃなく、玉が持ち上がって達したのが分かった。それでも強く自ら戒めたから完全暴発で、筋が浮き上がったまま出せない痛みにポロッと涙が落ちていく。  そして快楽は他にも飛び火したのか、全身をビクビクと震えさせていた。 「あそこから出さずにって……そんなにご褒美欲しかったんですか」 「ほ……しぃ」  収まったのか手をどけると、先端からトロッと僅か白濁したものが溢れていく。  レオンはそれを見て近づき、側にあったローブの紐でクロードの男茎の根元を強く戒めた。 「ひぁ!」 「この状態でいいなら、ご褒美いいですよ。何が欲しいんですか?」 「あ……レオンくんの、おちんちん咥えたいです」 「……いいですよ」  本心は「いいわけあるか!」なのだが、頑張ったのは確か。ご褒美も約束してしまったし。  嬉しそうなクロードがレオンのズボンを下ろし、反応しかけている逸物を引っ張り出してくる。綺麗な形の指が滑るように撫でるのは、どうしても腰にきた。 「素敵です。今、大きくしてあげますからね」 「っ!」  躊躇いもなく、むしろ嬉しそうに舐めしゃぶりながら育てられていくのは、いつ見ても興奮する。本来はこんなこと、妄想でしか出来ないだろう。上司で、憧れで、自分よりもずっと男として魅力的な人が、こんな嬉しそうにしゃぶるのだ。 「はぁ……先走りだけでも美味しいです」 「そらよかったですね。しっかりしゃぶってください」  ベッド脇に立ったままのレオンの股間に顔を埋め、必至になっているクロードの頭を掴んだレオンは喉を狙って腰を打ち付ける。喉の奥に軽く当たるとそこが締まって、クロードから苦しそうな呻きが漏れる。  でも漏れたのは声だけじゃない。戒められている彼の愚息からもトプリと、透明な液が漏れた。 「喉使われて興奮してるんですか? さっきから先走り、お漏らししてるじゃないですか」 「んぅ! ふっ、ぅぐ!」  腰を使って何度も喉を犯すと締まって気持ちいい。飲み込めなかった唾液が口の端からダラダラと落ちて汚していく。そういう姿に興奮するのだから、レオンだって十分に違う種類の変態なのだろう。 「ほら、飲ませてあげますからちゃんと喉開けてください。溢したらダメですからね」  クロードの後頭部に手を添えて強く押し込むと、喉奥へ到達して一気に締めつけてくる。これが凄くて、そのまま中に流し込んでしまう。  苦しそうに呻きながらもクロードは全部を飲み干した。目は涙目で、何度も嘔吐いて。  けれど同時に腰をくねらせるのだからどうしようもない。多分、中イキしたんだ。  ズルズルっと引き抜いた男茎は、まだ完全には萎えていない。それを見て取ったクロードは今度はベッドの上に四つん這いになり、顔だけをレオンに向けて幸せそうに微笑んで見せる。  要求はこれだけで伝わった。 「お願いです、レオンくん。私のはしたないメス穴を貴方の硬いおちんちんでぐちゃぐちゃに掻き回してください」 「言い方ってものがあるでしょう、隊長……」  あえて淫乱な言葉を選んでいるクロードにげんなり。けれどヒクヒクと物欲しげにヒクつく後孔にはゴクリと生唾を飲む。ここの具合の良さは知っているのだ。  抗うだけ無駄だ。レオンは指二本を添えて後孔に触れ、掻き回した。指先にコリコリと当たる部分を容赦なく擦り上げ、押し込むと嬌声が漏れて内襞がキュッと締めつける。 「後ろ、柔らかいんですけど。また自分で解してたんですか?」 「あっ、ちがっ!」 「では、どうしてですか?」 「アナルセックス込みじゃないと、自慰でもイケないんです」 「変態ですね、軽蔑しますよ」 「お願いします!」  蔑まれて興奮する。それがこの人クオリティ。  確かに最初から柔らかいのは助かる。これだけ慣れていれば怪我をさせるリスクは下げられるし、最初から気持ちがいい。  でも、こう……硬いのを解したりってのも恋人同士の睦み事っぽいのに! 「貴方はどっかの男娼ですか! こんなだらしない尻穴で、恥ずかしくないんですか!」 「はぁぁん!」  パァンと強めに尻を叩くと、白い肌が薄ら赤くなる。小ぶりで引き締まった形のいい尻に、レオンの手形がついた。それすらも扇情的で、レオンは二度三度と叩いてみる。 「俺にお尻叩かれて気持ちいいんですか」 「気持ちいぃ、あっ、興奮しますっ」 「変態! 淫乱!」 「あっ、あっ、あぁぁ」  ビクンビクン震えるのは体だけじゃなく、中もだ。叩かれる度に締めつけている。本当に気持ちいいと思っているのだ。 「さぁ、隊長。おねだりしないとあげませんよ?」 「はい。レオンくんの硬いおちんちんで私のメス穴掻き回して、私を貴方のメス豚にしてください! はぁぁぁん!」  容赦なく一気に奥まで突っ込んだら、それだけで戒めていてもクロードは達した。正確には中イキだ。搾り取るみたいに絡みつく肉襞にレオンは息を詰めながらもしっかり腰を持って奥まで突き入れた。 「あっ、はぁ、幸せです……っ、硬くてすごいっ」 「くっ、男で名器って需要あるんですか。熟れすぎでしょう」  痙攣したような中が絡みついて搾り取ろうとしている。締めつけるばかりじゃなく、包むようでもあるから手が悪い。あっという間に陥落させられそうだ。  先走りで濡れるローブの紐を解いたら、途端にトコロテンだ。一突きごとに小量の白濁がビュクビュクと吐き出される。それでもこの人は恍惚として、アンアン嬉しそうに喘いでいる。 「隊長、そんなに俺のが好きですか?」 「好きっ、凄く硬くてもう飛びそうですっ」  既にぶっ飛んでるけれどな。 「それじゃ、好きなだけ飛んでください。中に出しますから」  パンパン音がするほど突き上げ、よがる場所を容赦なく抉っていくと中が締まる。適度に絞られ、熱く包まれてレオンも荒い息を吐いて背中に覆い被さった。  とは言え小柄なレオンではクロードの背を覆い尽くす事はできず、縋るようになってしまう。それがまた悔しくて、容赦ない。  高い声で喘ぎながら下肢を痙攣させ、愚息からは潮かってくらい薄くなった白濁を溢すクロードは意識朦朧とさせながらも幸せそうだ。そして、やっぱりムードもへったくれもないことを言うのだ。 「あっ、あぁっ、お願いです、一番奥にください。私を貴方のメスにしてぇ!!」 「だから……少しは恋人らしい甘いセックスはできないのか、アンタは!!!」  怒り任せに抉り出す勢いで最奥を突き上げたまま、レオンはたっぷり全部を吐き出した。その間も根元から先端までを肉襞が蠢き絞り上げる。全部吸われるような絶妙な具合にレオンは「天はこの人になんて無駄なもの与えたんだ!」と心の声でツッコんだ。  クロードはいい具合に飛んだ。目は虚ろで幸せそうに笑っている。この顔を見ると、なぜか「幸せならいいか」という諦めにも似た感情が浮かんでガックリと肩を落とすのだ。  引き抜くとダラダラっと吐き出したものが落ちてくる。それを指で丁寧に掻き出している最中も、掠れた色っぽい声で喘ぐ始末。 「はぁ、もっとぉ……」 「十分でしょ!」  ぴしりと言ったレオンはもうシーツを替えるだけの力は残っていない。ゴロンと隣りに寝転がると、自分よりもよほど立派な体が抱き寄せてきて、額や頬や目尻などにキスの雨を落としていく。 「変態」 「すみません。だってレオンくんが来ると思ったら我慢できなくて」  結局最後は幸せそうだから絆される。溜息をついたレオンは厚い胸に鼻先を擦り寄せて眠った。

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