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第2話

「じゃあさ、今から一緒に風呂に入ろう」 「え?…うん。それがして欲しいこと?」 そんなことでいいの?と僕が首を傾げると、翔太がとても嬉しそうに笑って、僕を膝から降ろして立ち上がった。 「うん、まあ…、とりあえず風呂だ」 翔太に手を引かれて風呂場へ向かう。 まだ僕のお皿にはハンバーグが残っていたけど、謝らなきゃとばかり考えて緊張していたから、あまり食欲がない。 残りは明日、温めて食べたらいっか、と思いながら、素直に翔太の後について行った。 洗面所で素早く服を脱いだ翔太が、モタモタとしていた僕の服と下着を脱がせて全裸にする。 何度も見られてる裸だけど、僕はそっと前を隠した。だけど、すぐにその手を引かれて風呂場に入る。 翔太が、お湯を出してシャワーで僕の全身を濡らすと、バスタブの縁に僕を座らせた。 「ちょっと待ってて」 「え?…うん」 翔太が一旦風呂場から出て、洗面所でゴソゴソとして戻って来る。 何だろう…と思って見ると、手にカミソリを持っている。 「翔太…、それ…どうしたの?」 「ふふん。これさ、いつかしてみたいと思って買ってたんだよね」 「してみたい、って何を?」 「剃毛」 「ていもう?」 ていもう…ていもうって、何? 首を傾げる僕を、満面の笑みで見つめる翔太。 その笑顔とは対照的に、僕は不安になってきて顔を引きつらせた。 「翔太…ていもうって、もしかして…」 「ん?もしかしても何も、アソコの毛を剃るんだよ」 「だ、誰の…」 「もちろん、凪の!俺がツルツルになった所で気持ち悪いだけじゃん。凪は、肌も白いし華奢だから、すっげー可愛くなると思う!」 「いやいやっ、僕がしても気持ち悪いだけだよっ」 「そんなこと絶対にない!俺、ずっと凪のアソコをツルツルにしたら可愛いだろうなぁって思ってたんだよ。凪は髭も脇も腕やすね毛も薄くて生えてないようなもんだからさ、アソコの毛も剃ろ?」 「はあ?」 どんな理由だよ。全身の毛が薄いの気にしてるんだからな。今は髪の毛はフサフサとしてるけど、年取ったら髪の毛まで薄くなるんじゃないかってビビってるんだからな! 僕が不満な顔で黙っていると、翔太が意地悪く笑う。 「凪、俺の言うこと何でも聞くんじゃなかったっけ?俺、凪が他の男と肩組んでるの見て、すっげー傷ついたんだけどなぁ。傷ついた心を癒して欲しいんだけどなぁ」 じっとりと見つめながらそんなことを言われて、僕はウッと言葉に詰まる。 確かに、何でも言うことを聞くと言った。それに、翔太に嫌な思いをさせたのも事実…。はぁ…仕方ない。まあ、剃ってもすぐに生えてくるだろうと諦めて、僕は渋々頷いた。 「…わかった。剃ってもいいよ…。でもっ、絶対に切ったりしないでよねっ」 「マジでっ?凪、ありがとう!もちろん優しくするよ!」 全裸でギュッと抱きしめられて、納得いかなくてモヤモヤしていた筈なのに、大好きな翔太が喜ぶならいっか…と、僕も翔太を抱きしめ返した。

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