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第5話
「あの・・・えっ?」
僕はどうなったの?
スタッフの顔が近いんだけどそれに天井が見えるのはどうしてなの?
フカフカしてるけれど下はソファ?
「やっぱり、君はΩだね。発情期が始まってるのかい?微かに匂いがするよ。制御剤を飲んでるのかな?近付かなかったら気づかなかった。」
「僕はβです!離してください。」
「嘘はダメだよ。君はΩだ。αの僕には分かるよ。誘ってるんだね。」
「ちがっ!ううっ・・・・。」
何が起きてるの?
今、自分がされている事が信じられない行為で気持ち悪さと恐怖で頭の中が一杯だった。
抵抗しようとしても身体に力が入らずスタッフの人は僕が抵抗しないと思ってる。
上着を脱がし胸に舌を這わせながら尖った突起物を片方は指で転がすように触れてもう片方は卑猥な音を立てながら吸ったり舌で転がしたりしている。
気持ち悪いよ。
助けて!
明樹兄!!
僕は怖くて声も出なくてでもスタッフが与えてくる快楽に身体が感じているのが分かった。
そんな自分が悍ましく思えた。
明樹兄・・・・・。
助けて・・・明樹兄・・・・・。
バァ〜ンッ!!
「誰だ!」
「はぁ?お前、何してんだよ。そいつは俺のなんだけど人の物に気安く触ってんじゃねぇ〜よ!」
僕に覆い被さっていたスタッフは襟首を掴まれて僕から剥がされる感じで床に投げ飛ばされた。
「すっ、すみません。どうか上には言わないでください。」
助かったの?
後ろ姿しか見えないけれどこの声は聞き覚えがあった。
けれどあまりの恐怖と安心感で僕の意識は薄れて行ったのだ。
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