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第7話
でも、良く考えてたらスカートやワンピースは着ていなくてボーイッシュだった。活発な子だったからスカートが嫌いなのかと思っていただけ。
男の子だと分かるとスカートじゃなかったのは納得がいった。
思わずへたり込む。
「どうした?」
アンバーもへたり込む青藍の目線に合わせしゃがむ。
「僕……ずっと女の子だと思ってた」
「あー、なるほどね」
アンバーはくすくす笑う。
「悪かったなナイスバディな女性になっていなくて」
謝りながら笑う彼を見ていると少し、昔の面影を感じた。
ケイレブの時とは大違いでアンバーは冷たさも感じない、ただ綺麗なのは変わらない。
へたり込む青藍にアンバーは軽くキスをすると、彼を抱き上げた。
そのままダブルベッドに降ろすと「悪かったな怖い思いさせて」と謝った。
「セックスしたこと?」
「あー、それはやる予定なかったんだが、久しぶりに会ったお前にムラムラしたから思わず抱いた」
「は?なにそれ?」
「我慢出来なかったんだよ、元々、逃がすつもりだったんだけど、もしかしたらもう会えないかもって思ったら最後にね……」
いたずらっ子みたいな顔をされて、青藍は怒るというより力が抜ける。
アンバーの方へ倒れ込み、がしっと支えられた。
「くそったれ!初めてだったんだ、ばか!」
「ご馳走様」
「うるさい!責任とれ」
「なに?嫁にとれって?」
「ちがっ、」
顔を上げて否定しようとしたらキスされてそのまま押し倒された。
身体を触られて、ふと思う、ケイレブの時もそうだけど、乱暴ではないのだ。愛撫も丁寧だった。
青藍ばかりを気持ち良くしてくれて、今も愛撫が優しい。
キスを受け入れ、シャツをたくしあげられても抵抗はしなかった。
キスをたくさんされて、愛撫もたくさんされた後にアンバーが着ている服を脱ぎ、青藍の服も脱がせてきた。無抵抗で服を脱がされて、彼を受け入れていた。
あの時は激しかったけれど、今は優しい。
中にアンバーのモノが直ぐに入ってきて、今度は素直に喘いでしまった。
反発してたのに、どうして素直に受け入れて喘いでいるのか自分でも不思議だった。
先に青藍がイッて、アンバーが彼の中でイッた。
その後はシャワー浴びる為に浴室へ連れて行ってもらい、一緒に風呂に入った。
アンバーの膝の上に抱っこされながら、青藍が眠っていた間の話を聞いた。
あのセックスの後飲ませたのは睡眠薬だった。
眠らせた方が動きやすいと判断して、眠らせて保護するように仲間に連絡を入れたのだと。
トップは銃殺された。
捕まえてもきっと、色んな手を使って出てくるだろうと判断。捕まっても内部に仲間が居れば逃げれる。
トップを打ったのはアンバーだった。
裏切られたと知った時の彼の顔を思い出して笑いがでる。
でも、スッキリしない。
心が晴れない。
「青藍はかたきをとると言っただろ?殺さずに仕返しをするだけだって、それはどういう意味だ?」
抱っこしたままに聞く。
「殺してしまっても、何も残らないし、家族は戻らない。犯人を捕まえる為に警察になって、罪を償わせたいと思った。殺してしまったら罪を償わせる事が出来ないだろ?もっと、もっと、罪を犯してしまった事を後悔させたいし、苦しんで欲しいって思って。遺族ってさ、きっと死ぬまで忘れられないだろ?月日が解決とかそんなわけないし、月日が過ぎれば過ぎるだけに辛くなるだろ?自分にあった当たり前の幸せが奪われてさ、平気なはずがない。居てくれるはずの家族が横にいない、それが月日が過ぎる度に重くのしかかってくる」
青藍の言葉を黙ってきいていた。
確かにそうだ。殺した後、凄く虚しかった。
あんなに憎んでいた奴の命を奪ってやったのに心は晴れないのだ。ただ、虚しさが引き金を引いた手のひらに重くのしかってきた。
死という安息を与えてしまったと後悔した。
青藍が言ったかたきはとっても殺さない。仕返しするだけだと言った言葉が頭の中でぐるぐると回った。
考えれば考える程にもう会うつもりはなかった青藍に会いたくなって、ここに連れてきて貰ったのだ。
アンバーも幸せだった子供時代、青藍を気に入っていた。好きという感情はその時なかったけれど、組織に彼が入ってきた時は慌てた。直ぐに青藍だと気付いたから。
目の色はコンタクトだとある日、外しているのを見たから。
特徴があるオッドアイ。やはり彼だった。
懐かしい気持ちになったが半年我慢した。
一網打尽にするのがもう直ぐだったから。でも、トップが青藍に目をつけてしまった。
可愛らしい顔立ち、トップは少年が好みだったから。自分も少年時代は散々やられた。
青藍はその好みにドンピシャだったのだ。
その頃、青藍を売った奴が色々やらかして、トップに青藍が堕ちるのはもう、すぐだと分かり、助けに行った。
彼に会うとどうしても抱きたくなってしまったのだ。酷い事をしていると思ったけれど、もう止められなかった。
自分の膝の上に居る青藍を後ろから抱き締めて複雑な感情を胸にしまった。
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