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第8話
アンバーは幼い頃、日本に住んでおり、近所に住む双子の兄弟と仲良くしてもらっていた。彼らの祖父が花火師で花火大会になれば彼らの祖父の花火を見に行くのが楽しみで双子の兄弟と3人で屋台をめぐるのも楽しかった。
青藍を「せいくん」弟の浅葱を「ぎーくん」と呼んで、自分はアンバーの「あーちゃん」と2人から呼ばれていた。
双子は神秘的な目の色をしていた。兄弟揃ってオッドアイ。ブルーとかじゃなく、アジアの人種に多い茶色だったのだが、その茶色に少し黄色が混ざった片目ともう片目がグリーンが混ざったような綺麗な目の色だった。
アンバーの瞳の色も琥珀色と呼ばれる神秘的な色で産まれた時にその目の色のままの名前をつけられた。
せいくんと呼んでいた男の子と特に仲良かった。
双子だから似ているのだが、子供ながらになんて綺麗な子供なのだろうと思ったのだ。
せいくんと手を繋ぐとドキドキしていた。
彼らの祖父からも可愛がって貰っていて楽しかった。
でも、あの日……。
アンバーは家族と青藍も弟と祖父とその現場に居た。
何時もと変わらない日常の一コマだった。
明日も明後日も無条件に続く日常のはずだった。
それが突然の爆発音と建物の飛び散る破片と爆風で近くにいた者達はあっという間に吹き飛ばされた。
アンバーはその爆発音と父親の咄嗟に自分を呼ぶ声だけを記憶していた。
目が覚めると病院で事件から1週間以上も経っていて、側に両親の姿が無かった。
そのテロで死んだと聞いたのはもっと後だった。
一緒に居た青藍と弟の浅葱と彼らの祖父がどうなったのか周りに聞いた。
2人はそれぞれ違う病院へ運ばれて、彼らの祖父は亡くなったと聞いた。
その時、分かったのが本当にショックを受けると涙なんて出ないという事。
結局、青藍達に会えないまま、父親の弟が引き取ってくれて日本を離れた。
そこからは事件の事を自分なりに探った。引き取ってくれた父親の弟が警察組織の人間だったので徐々に分かってきた。
どうしてもかたきを討ちたいと義父になってくれた父の弟に何度もお願いをして、10代から裏組織と影で繋がっていた。
トップに会う為ならば身体も差し出した。変態野郎には喜ばれた。
男を喜ばせるテクニックもついてくるし、頭の回転も早くなるし、経験も増えてきて、いつの間にか腕っぷしも強くなった。
耐えられたのはきっと、かたきを討つという目的があったからだ。
ブルーヘブンに辿りついた時にやっとかたきが討てると胸が踊った。
直ぐにトップをやっても良かったが実行犯がまだ分からなかった。
それが分かるまで胸糞悪いがトップとベッドを共にした。そのせいか、いつの間にかNo2にまでなっていた。
そこで青藍に会ってしまった。
彼も自分と同じように警察組織に居ることは知っていた。まさか、ブルーヘブンに入ってくるとは思わなかったので焦った。
巻き込みたくない。
唯一、幸せな時代を共にした者だから。
トップに食われる前になんとか手に入れたが久しぶりに会った彼が当時よりもさらに綺麗に育っていて息を呑んだ。
無理矢理抱いた時にかたきを討つのと取るのは違うと聞いて、ああ、同じ被害者でも考えが違うのかと知った。
アンバーの上で抱きしめられている青藍がふと力が抜けたようにガクンと崩れたので見てみると眠っていた。
まだ入院していたのに無理させてしまったなとアンバーは彼を連れて風呂を出た。
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