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第6話

 梓はマツバの喘ぎを聞きながら、やっぱりアザミさんはすごい、と横目でアザミの愛撫を観察しつつそう思った。  そして、アザミに負けじと、マツバの胸の飾りを攻める。  マツバの肌は、馴染んだ漆黒のそれとは全然違った。  漆黒の肌はなめらかだけど、胸毛が生えているので、頬を寄せるとちくりとするのだ。  けれどマツバは、どこもかしこもつるつるで……触っていて気持ちいい。これが、しずい邸の男娼か……。  梓だって、肌がきれいだと漆黒に言われるけれど……マツバやアオキたちと比べると全然だめだと思ってしまう。  だからせめて、テクニックだけでも磨いて、漆黒に喜んでほしかった。  その一心で梓は、マツバの乳首に舌を伸ばしたのだけれど……不意に、アザミのたおやかな指に自身の胸を弄られて、奉仕に集中できなくなる。 「ふぁっ、あっ、あ、アザミさんっ」 「ふふ……こんなふうに、途中で漆黒に邪魔されてもちゃんとできるように頑張るんだね」 「あっ、あんっ、は、はいぃ、が、がんばりまふ……」  マツバの乳首を口に含みながら、梓はそう答えた。  しかしアザミの指は容赦がない。コリコリと弄られている内に、下半身にどんどんと熱が溜まっていってしまう。 「おまえはなにをしてるんだい、アオキ? 紅鳶の乳首を弄って勃たせたら、次に奉仕するところがあるだろう」  マツバと梓が乱れる様を傍観しているだけだったアオキに、不意に声が飛んでくる。  そうだ、これは紅鳶相手のシミュレーションだった、と思い出し、アオキは慌ててマツバの背後から前へと手を回し、下腹部を探った。  普段奉仕している紅鳶の牡とはまったく違う、ささやかなサイズのマツバの雄蕊(おしべ)は、すでに硬くなり、先端から淫液をこぼしている。  下着の中に潜り込ませた指で、アオキはそこを捏ねた。 「んん~っ、あっ、ああっ」  マツバが悶える。  ついに体を支えきれずに、上体がアザミの方へと倒れ込んだ。  アザミの肩に頬を乗せる形となったマツバは、喘ぎながらも、ふと甘い匂いが漂ってくるのを感じた。  これは……アザミの体臭か。  マツバの視線の先で、白桃のような耳朶(みみたぶ)が見える。  艶やかな黒髪が揺れて、見え隠れするそれがマツバを誘っているようで……マツバは鼻先を潜らせて、アザミのそこをパクリと食んだ。     「あっ」  あえかな吐息が、アザミの唇から零れた。  耳が弱いのか。  マツバは絶妙な弾力のそれを唇でハムハムと弄んだ。 「ふ、ふふっ……とんだ悪戯っ子だね、マツバ」  アザミが、とろりと色香を溶かしこんだような流し目をくれて……お仕置きのように乳首を噛んできた。  同時に梓も強く吸い付いて……。  アオキの指が、グリっと先端の弱い部分をこすったものだから……。 「ひああああっ」  マツバはたまらずに、逐情したのだった。

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