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俺には年下の従姉妹が居た。
日野操(ひの みさお)。
余り交流はなかったのだが、大人しくて優しくて柔らかく笑う子だった事を覚えている。
高校進学後スグ彼女は交通事故で息を引き取った。
原因が気になったが調べる程仲良くはなかった為、そのままにしていた。
が、彼女の話を聞いた瞬間変わった雨音の表情。
顔面蒼白で、震えながら涙を堪えている。
それを見た瞬間、俺は操の死を調べる事にした。
小中両方に行き、操の事を聞くが学校側は苛めはなかったの一点張り。
本当になかったんですか?
倭京って知ってますか?
色々聞くと
「そうだ、倭京だ。日野を苛めていたのは倭京だ」
口を開いた。
中学でも同様に
「誰が苛めていたかまではもう覚えてないが、多分倭京だろ。アイツ色々な奴に手を出していたからな」
そう告げた。
雨音?
嘘だろ?
だってアイツは意味もなく暴力振るう様な奴に見えない。
いつも見せる可愛らしい仕草を思い出し、違う、雨音じゃない。
そう否定したが、あの時見せた真っ青な顔が全てを物語っていた。
嗚呼、全部本当なんだ。
操を苛めていたのは雨音。
雨音が操を………殺したんだ。
無理矢理学校側に連絡先を聞き、雨音を自宅に呼んだ。
雨音は素直に操を苛めた事を認めた。
だが、苛めたのは短期間でその後は全く関わっていない。そう告げた。
今迄は信じられたのに、今となってはもう、全て嘘にしか聞こえない。
「お願い。信じて?」
泣きながら請われるが、その涙も嘘にしか見えない。
今迄ずっと演技してたんだろ?
人を苛めて楽しむ最低な奴。
操が死んで本当は喜んでるんだろ?
一度疑いだしたら最後だった。
あんなに可愛く見えていた顔も、大好きだった香りも、全て全て嫌悪の対象になった。
嗚呼、もう、顔も見たくない。
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