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3.
雨音を完全に拒絶して、いつもあった温もりが無くなった。
嗚呼、寂しさを感じる自分が情けない。
玄関の呼び鈴が鳴り扉を開けると雨音が居た。
「帰れ」
突き放したが、聞こえてないのか?
今迄見た事もない位余裕のない顔で雨音は俺に近付いた。
嫌いな相手を家に入れたくない。ましてや視界に入れるなんて、吐き気がした。
罵声を上げ、頬や身体を殴ったが、雨音は俺の両手首を紐で縛り上げ、そのままベッドの柱に括り付けた。
服を脱ぐ雨音。
太股を伝う液体は前からではなく後ろから垂れている。
嗚呼、雨音はΩだったのか。
だから惹かれたんだ。
俺はαだ。
ずっとずっと雨音がΩだったら良いのになって思ってた。
もしそうだったら番になりたいとも考えていた。
勿論嫌いになる前の話。
今となっては最悪だ。
「好き。好きなんだ村主。……好き」
溢れる涙。
綺麗に見える自分が嫌いだ。
「っあ、村主、すぐりぃ。気持ち良い。ぁっ、そ
…こ、ぁ、んぁっ」
反応してしまう自分が恨めしい。
憎いと嫌いだと思っているのに、身体が心を裏切る。
もう何度放ったか分からない白濁が雨音が動く度溢れて脚を伝う。
好きだ、嫌わないで?必死に泣きながら俺を求める雨音を愛しいと感じた。
だが、それと同じ位憎い。
コイツは操を殺した殺人犯だ。
忌むべき存在。
以前の様に優しく触れそうになる衝動を抑えながら
「殺してやる」
そう、告げた。
泣きながら笑った雨音は俺の首を絞めた。
一度で良いから名前で呼んで欲しい。好きって言って?
震える声で身体で求められる。
俺を襲う喉の痛み。
苦しい。
嗚呼、そんなに泣いてバカだな。
折角の綺麗な顔が台無しだ。
好きなんて聞いてどうすんだよ?
嘘だって分かってんだろ?
嫌われてるって気付いてんだろ?
それでも聞きたいのか?
ほんっとバカだよ、お前は。
「…………………好き…だ、あま……ね…………」
口から出たのは真実か嘘か。
薄れ行く意識の中幸せそうに微笑む雨音が見えた。
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