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第5話
全てが終わって。シャワーを浴び直して、俺たちはベッドで抱き合い、微睡みの中にいた。
悠は蕩けた顔のまま、俺の胸に顔を寄せて甘えていたし、俺もそれを受け入れて、彼のことをずっと撫でていた。
思ったよりずっと当たりだった。エッチな体との相性も良いし、恥ずかしがりながらも素直に求めてくるところも好みだ。こうして懐かれるのも悪くない。というか、むしろ好きの部類だ。
朝まで、の約束で、微睡みを楽しむ。朝になれば、魔法は解ける。俺たちはまた知らない同士だ。
「……檜山さん……」
掠れた声で、悠が俺の名を呼ぶ。尤も、檜山っていうのは俺のハンドルネームみたいなものだから、本名じゃないんだけど。
「あの……」
「ん?」
「……檜山さんさえ、良ければ……。また……会ってもらえませんか……」
おずおずとそう言ってくる悠に、俺は微笑んだ。
「またしたいほど気持ち良かった?」
「……っ」
悠はまた顔を赤くして、恥ずかしがるように俺の胸に顔を埋める。そっか、と笑って髪を撫でて、「いいよ」と快諾した。
「またメールくれたら、会えるよ。でも金曜か土曜の夜がいいな」
「……わかり、ました……」
檜山さん、ありがとうございます。悠が何故か感謝を伝えてくる。真面目なんだなあ、と思いながら、俺は悠を撫でていた。
それが、先週の金曜の話だ。
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