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第9話

「や、ぁ、ひやまさ、ん……っ」  お望み通り、後ろ手に縛ってやって。ベッドにうつ伏せに転がして、腰だけ上げたような、とてつもなく恥ずかしいだろう姿にさせても、いつもの厳しい上司はどこへやら、だ。それすら興奮するらしくて、泣き出しそうな声で俺を呼びながらも、抵抗一つしないで俺を受け入れている。  ぐにぐにと指を押し入れて、可愛がる。そこは快楽を受け入れて俺の指に絡みついてくる。もっとしてほしいんだな、と前立腺をつついてやると、「あっ、あ、」と甲高い声で鳴いた。 「ここが好きなんだよねぇ、悠は」 「ひっ、ぁ、あっ、は、はいぃ……」 「素直だね、素直ないい子にはご褒美あげないとね」  ぐりぐりそこをいじめてなりながら、更なる刺激を求めて震えていた前に触ってやると、悠が悲鳴を上げて腰をくねらせる。逃げているつもりなのかもしれないけど、こちらから見ると淫らに誘ってるようにしか見えない。 「ひや、ま、さ、……っ、も、もう、お願いですから……っ」 「ん〜?」 「も……っ、指じゃなくて……っ」  続きが欲しい、と。ふぅん、と笑顔を浮かべて、悠の体を撫でてやると、それだけで震える。 「そうだよね。悠はもっと気持ちいいこと知っちゃったから、指ぐらいじゃ足りないんだよね」 「……っ」 「俺にまた声かけてきたのも、もしかして一人じゃ満足できなくなっちゃったからかな?」  かわいいのでいじめてやるけど、悠から否定の言葉が出ることはなくて、涙ぐみながら恥ずかしそうに眉を寄せて、赤くなってるばかりだ。そっかぁ、と頷いて、指を引き抜く。 「あっ、ぁ……」 「悠、ちゃんと甘えられるようになろうか?」 「ぇ……」 「素直になれるとイイ事あるって、カラダで覚えようね、悠」  ほら。促すと、悠は少し目を泳がせて、それから小さな震える声で、「ほしい、です……」と呟いた。 「何が、誰の、どこにほしいのかな? 『5W1H』だよ、悠。知ってるでしょ?」 「……ッ」  ワザと『東雲さん』の言っていた事でいじめてやると、悠は涙を浮かべながら、たどたどしく答えた。 「……っ、ひやま、さんの、お、おっきいの……、……僕の、お、しりに、いれてほしい、です……っ」  恥ずかしそうに目をぎゅっと閉じて、精一杯のおねだり。かわいい。俺は「よくできました」と褒めて、悠のソコに俺のモノをあてがう。 「ゆーっくり、入っていくからね」 「ぁ、……ぁ、あ、あ……っ」  宣言した通り、ゆっくり、じっくり悠のナカに腰を進めていく。悠は足や背中を震えさせて、悶えていた。そんな彼の体を落ち着かせるように撫でてやりながら、奥まで、奥まで入っていく。 「あっ」  その途中で、悠の一番いいトコを掠める。わかっていたから、ソコを狙うように何度か抉ってやると、悠が「ひ、ぅ、」と鳴いて腰を揺らめかせる。敢えてそれ以上せずに、奥まで辿り着いて、一息。  その間、悠の汗ばんだ背中を撫でる。呼吸に合わせて震えているのを、爪が触れるか触れないかの距離で指を滑らせると、ナカが絡みついてくる。何をされても気持ち良いんだなあ、と思うと自然に笑顔になってくる。 「ね、悠」  慣れた頃に、囁く。 「入れるだけで、いいの?」 「……あ、……」  何を求められているか理解したようで、悠は震えながら、後ろ手に縛られた手を何やら動かそうとした。無駄だよ、と手を握ってやると、「うう」とまた泣きそうな声を出す。 「あ、あなたは、意地悪です」 「酷いことして欲しいって頼んだのは、悠だよ」 「うう」  悠はぎゅっと俺の手を握り返して。 「……っ、も、めちゃくちゃに、して下さい……っ」  と、最大限のおねだりみたいなことを言ってきた。だから、一つ溜息を吐いて、「ん」と頷いて。 「あっ、ア、ぁ! ひ、やま、さ……ッ」  お望み通り、理性なんか吹っ飛ぶぐらい、気持ちよくしてやることにした。 「ひやまさ、ひやまさぁ……っ」 「悠はナカでイケる子なのかな」 「な、に……? っ、ぁ、ああ、あ、だめ、だめです、そこ、そこばっかり、ダメ、ひっ、あ、あ!」  さっきの一番イイところを集中的にいじめてやると、もう悠は泣き声を止められない。ナカイキを教え込んでみるかなあ、イケるかな……と考えながら揺さぶっていると、悠はもう悲鳴のような声を上げて、俺の手を握っている。 「悠、ナカイキしてみよ。すっごい気持ちいいから。もうそれしか考えられなくなっちゃうから」 「なに、なに、や、だ、やだ、だめ、っ、それ、きもちよすぎ、る、からぁ……っ!」  こわい、と訴えるのをなだめすかしながら、容赦無くそこをいじめ続けると、だんだん悠の声が切羽詰まってきた。 「ひや、ま、さ、やだ、やっ、な、なにか、なにか、くる、きちゃいます……っ」 「いいよー、それに集中して、イッちゃお?」 「やっ、やだ、やだぁ……っ、や、あ、も、あっ……! ーーーーッ!」  ガクガクと。脚を震わせて、悠が呼吸も忘れて震えている。ああ、登り詰めてる。ナカが喜んでキュウキュウ締め付けてくるのを耐えながら、小刻みに揺すり続けると、「ま、」とか「だめ」とか途切れ途切れに何か訴えてきたけど、結局イキっぱなしの悠は抵抗もできないまま、俺に更なる高みへと昇り詰めさせられていく。 「……っ、ひ、ゃ、ま、……さ、……っ、」  名前を呼んでる気がする。うん、と、頷いて、上気した悠の蕩けた顔にキスを落とした。

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