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一章

「あっ…いい…」 込み上げる快感に思わず声を上げて、ぐいと腰を抱え身体を密着させると互いの乳首がこすれて、彼から「ふっ…あ…」と小さく喘ぐ声が上げられた。 「……乳首、感じるんですか?」 訊いて、指で摘まみ舌を付けた。 「ふっ…く! あ……」 「……いい反応じゃないですか、課長。あ、手は止めないでくださいね」 舌先で舐める度に、ビクンビクンと彼の腰が跳ね上がる。 「…ほら、もっとしっかり俺のを握って……」 立ってくる乳首の先端につれ、感じているのかその手の動きも早まった。 「うんっ……あっ…!」 極まった俺のものから白濁した粘液が飛び散ると、課長は手を離してぐったりとしたように壁に凭れかかった。 その疲れ切った顔に、 「……これで、終わりだと思ってますか?」 訊いた。 答えずに目だけを見開くのに、 「……関係は、この先も継続しますので」 告げて、 「……さっきも言ったように、他言は無用です」 まだ濡れそぼっている尿道口をペーパーで拭き取ってやると、下着とズボンをたくし上げて、乱れたシャツのボタンをきっちりと止めた。 「……皐月課長、勘違いしないでくださいね?」 まだ虚ろな眼差しの彼に、 「俺は、課長のことが好きですから」 言って、もう一度舌を絡めて口づけた……。

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