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二章
ーー翌日、どんな顔で対応するのかと思っていたら、以前と変わらずごく当たり前のように課長は接してきた。
意識もしてない素振りで、普通を演じようとするのに段々に腹が立ってくるのを感じた。
そっちがその気なら……と思う。
昼休憩の際に、空き会議室の前で待ち伏せて、通りすがった課長を中へ引きずり込んだ。
「各務っ……!」
「……呼び捨てとは、感心しませんね?」
室内の鍵を締め、襟首を片手で捕まえた。
「…う、ぐっ…」
「俺を、甘く見ないでもらえますか。このままなかったことにできるとでも、思っていたんですか?」
手で首をやんわりと締め上げつつ詰問をすると、
「……そういう…わけじゃない……」
と、苦しげに口を開いた。
「……だったら、どういうわけですかね?」
手を離すと、彼は首を押さえてむせ返った。
「うっ…げほ、俺も、他にバレたくないだけだ……」
「……ほーぅ」
一旦は頷いたふりで、彼の髪を鷲掴んだ。
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