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二章

「な…なにをっ!」 露わになった額に、唇を付ける。 「……つまらないですね、そんなのは」 またしても潤んでいる目に、 「そう……そうやって、俺に怯えていてもらわないと、」 言って、 「おもしろくもないんで……」 伏せられた睫毛を指の腹ですーっと横になぞった。 「……触る、な…」 手が払われ、 「……まだそんな余裕が?」 と、目の奥を覗き込んだ。 「あなたには選択肢はないと、そう言ったはずです。今ここでまた犯したって、いいんですよ?」 「…いや、だ……」 背けられた顔を自分に向けさせて、 「…ん、くっ」 強引に唇を合わせた。

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