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三章

「あ…んっ…」 しばらく見ていたが、時折感じたように声は上がるものの見られていることに恥じらいがあるのか、なかなか射精までには至らなかった。 「……達けないのか?」 訊くと、潤んだ目が上げられた。 「……イケ…な…」 途中まで言って、口をつぐむ。 「手伝って、ほしいですか?」 伏せられた目を下から覗き込む。 「……いっ、」 「…い? それはいやなのかいいのか、どちらなんですか?」 何も言わずに首だけを横に振るのに、 「…いや? なら、置いて帰りますよ?」 覗き込んだ体勢のまま唇を啄んで、 「……してほしいと、言ってください俺に」 促すようにも言う。 「…い…や……」 「……ならば、本当に帰りますよ?」 その場を離れようとすると、 「……それも…や…」 小さな声で言ってきた。 「……言わないのなら、してはあげませんから」 赤く充血して勃ち上がるそれを見下す。 「……し……て……」 「もっとちゃんと言わないと、わかりませんね」 羞恥に真っ赤になっていく顔を見つめていると、 「……。……して…ほし…ぃ……」 消え入りそうな声で俺にせがんだ。

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