37 / 96

四章

「……このまま、仕事をしろと言うのか……」 訊いてくるのに、 「そうですね…」と、答える。 「できるわけが……抜いてくれ……」 「……大丈夫ですよ」 言いながら、挿入した器具で内壁をこするようにも回すと、 「…は、あ…うっ…」 刺激に耐えられないといった風で、俺にしなだれかかった。 「抜いては、あげませんから」 凭れた躰を抱いて、リモコンのスイッチを入れた。 「ふぁ……くっ! 」 突然に内奥で動き出したそれに、目が見開かれる。 堪らずに先端からじわじわと流れ出す透明な液を眺めながら、 「……抜きはしませんが、スイッチは切っておいてあげますので」 と、リモコン式のスイッチをオフにしてポケットにしまった。 「いや…だ…出し…て……」 「わがままを言うと、またスイッチをオンにしますよ…」 いやいやと左右に首を振る彼に、 「入れておくだけなら、いいでしょう?」 言い聞かせる。 「……や、だ……」 涙目になる彼の髪を撫でる。 「いい子だから、俺の言う通りにしてください」 まだ首を振るのに、 「聞き分けないなら、スイッチを入れっぱなしにしますよ」 ポケットの中で再びONにすると、 「……あっ、あ…やめ……も、う……」 自身の体を抱き、ガクガクと震えた。 「……そのままでいますよね?」 黙って、首を縦に振る。 「終業時に、抜いてあげますから」 もう一度頭を撫でようとして、手を振り払われ、 「……では、仕事が終わったらまた」 言い残して、資料室を出たーー。

ともだちにシェアしよう!