43 / 96
四章
まだ出し切れていなかったのをじゅるっと吸ってやると、
「…うぅ…んっ!」
彼は俺の頭をぐっと抱えた。
じゅうと出なくなるまで吸い尽くして、顔を見上げた。
「気持ちよかったですか?」
「気持ち…ぃ…」
可愛いらしくも感じる声に、立って思わず口づけた。
「課長…課長…」
穴へ入れたままの親指を動かすと、舌がより深く絡み付いた。
「……今日は、これ以上はもうしませんが、次には俺のを……」
唇を離して言うと、彼の口元からつと唾液が垂れ落ちた。
胸からハンカチを抜いて、口と泣き腫らした目元を拭いた。
指をズッと抜くと、引きずられるように腰が浮き上がった。
それと同時に、快楽に浮かされていた彼の思考もはっきりとしてきたらしかった。
目の中に次第に焦点が戻ると、
「……今、何を……」
呆然と呟いて、
「……俺に、何をした?」
たった今のことを覚えていない風で尋ねた。
唐突に気を許したとばかり思って戸惑ってもいたが、ただ快感に呑まれていただけだったのかとわかると、その方がいっそ好都合にも思えた……。
ともだちにシェアしよう!