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五章
ーー土曜日、
暗くなる前に、皐月課長は俺の部屋に来たーー。
こないだの資料室での出来事から、どこかぎこちない雰囲気が漂っていた。
あの一瞬、突然に気を許してきた彼を、まだどう扱っていいのかわからないところもあった。
あの時には忘れてくれればいいとも思えたが、どう接したらいいのかあれ以来わからなくなるばかりで、気持ちを持て余してしまっていた……。
「……各務、」
呼ばれて、沈黙に顔を上げた。
「……皐月課長、どうして来たんですか?」
じっと見つめて、そう訊くと、
「……。……行かなければ、秘密をバラすからと……」
と、答えた。
「……秘密、ですか。では課長はそれをバラされないためになら、何をしてもいいんですね?」
「……何をしても……というわけでは……」
言葉を詰まらせるのに、
「……主導権は俺の方が持っているということだけは、忘れないでくださいね」
含むようにも話して、
「……さっそくですが、裸になってくれますか」
仕方なさげに脱ぎ始めた彼の裸体に、そうするしかないような気持ちでむしゃぶりついた……。
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