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五章
「……わざとですか?」
短く聞くと、彼は首を横に振った。
「わざとではなくても、俺に歯を立てるなど……気に入りませんね」
ほっぺたでも張ってやろうかと考えたが、
代わりにまた後ろへ突っ込んでやることにした。
「ふちに手をついて、尻をこちらへ向けて」
断れば何をされるか知れないと思っているのか、彼はおとなしく言う通りに従った。
突き出された双丘の間に、先を捻じ込む。
「…いっ…う…」
痛みに声を上げるのを、限界まで突き入れて、中で揺さぶった。
「あ…はっ…」
揺さぶりに腰がくねり、我慢し切れない汁が彼の前方から垂れ落ちて、ぽたりぽたりと湯舟の中に滴る。
「こっちでも、だいぶ感じるようになってきたんですね…」
揺らす度に、ぴちょんと体液がお湯の表面に広がっていく。
自分のものは抜かないままで、折り曲げた腰を抱え上げ、彼の陰茎に手を伸ばした。
後ろから突き上げながら手淫をすると、彼が達くのは早かった。
「……こんなに感じて、恥ずかしいですよね?」
わざとらしく言って赤らんだ顔に、溜飲が落ちていくようで、
まだ達してはいない自分のものをズッと勢いよく引き抜いたーー。
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