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五章
自分にとっては、彼さえ責められればそれでよく、自身の達成感などはどうでもよかった。
……半ば放心状態のその身体を浴槽へ沈めて、
萎えた陰茎をしつこく扱いたが、もうさすがに勃たなくなっていた。
それでもゆるゆると触ってやりながら、口づけを重ねるうちに、
水面に薄白い粘りが浮いてきて、「ククッ…」と笑いが込み上げた。
「……もうあなたは、俺のセクサロイドと一緒だ」
俺の手で思うままに操られ、達かされ穢される……。
「……皐月課長、それでもね、」
あまり焦点も定まらない瞳を覗き込み、
「……好きですから、あなたのことが……」
湯の中に沈みかける半身を抱いて、
「……あなたも、俺を……」
……好き、だとは絶対に言ってはくれないだろうと思うと、
また、ククッとくぐもった笑いが喉の奥から漏れた……。
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