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五章
風呂から出ても、のぼせたようにぼんやりとしている彼を、裸のままベッドに横たえた。
いつまでもぼーっと覚めやらない顔つきに、乳首を音を立ててちゅぷちゅぷと吸った。
「……あっ…」
ぴくりと反応して、胸に顔を埋める俺を見て、
「……も、やめ…」
手でどかそうとした。
「ここがいいんじゃないんですか?」
さらに音を立てて吸ってやると、
「……あぁ…ぅん…」
喘いで腰を浮かせた。
「やっぱり感じるんでしょう? やめてほしくなんかないですよね?」
それでもまだ認めずに首を横に振るのに、
「……今夜は、泊まっていってもらいますから」
有無を言わさずに告げて、
「隙を見て帰らないよう、これを…」
と、彼の手首に手錠を嵌めた。
「なに…を……」
冷えた鉄の感触に驚いている間に、パイプベッドの柵にもう一方を繋いだ。
全裸で片手を手錠に繋がれた恰好に、淫靡ないやらしさが浮かぶ。
「いいですね…エロくて……」
「……外して…くれ……」
懇願し嵌められた鉄の輪をカチャカチャと引っ張った。
「……朝まで外してはあげません。それと…そんなに無理に引っ張ると痕が残りますよ?」
ばらけた髪を撫でつけながら、
「だから、おとなしくしていてくださいね」
子供にそうするように言い聞かせて、
「もし痕が残れば、袖口から覗く薄紅い痣を勘ぐられて、どんなプレイをしたのかとも思われるかもしれないので」
と、静かにさせた。
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