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五章

「どうして、こんなことばかり…するんだ……」 ぽつりと呟いて、うつむけた顔に、 「……俺を、好きでいてもらうために」 口づけると、 「……こんな風にされて、好きでいると思うのか…」 嫌悪感を露わに拳で唇を横に拭った。 「では、言い方を変えましょうか」 顎を掴むと、拒もうと口にあてる手をシーツに押し付けて、 「……俺のものでいてもらうために」 唖然と開いている口にしゃぶりつき、キスを重ねた。 「こんな愛し方だろうと、あなたを愛しているんですよ…」 「……んん…」 繰り返し口づけて、乳首を弄ぶ。 「あっ…あ、ん…」 小さく身悶えるのに、 「……なかなか寝かせてあげられませんね…」 ふっと笑い、 「脱水症になるまで、イかせてあげましょうか?」 胸から下腹部へと手を下ろした。 「…いや…もう、触る…な…」 指で下の毛を弄んで絡め取りながら、 「このまま寝てもいいですよ? あなたが眠るまで愛撫していてあげますから」 乳首に舌を伸ばして唾液で湿らせていく。 「快感のまま寝かせてあげますよ…」 胸の尖りが濡れそぼりしこってくると、彼からは艶めいた息遣いしか聴こえなくなった……。

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