60 / 96

五章

「さ…さわるなっ…」 初めて襲った時のように平手が振り上げられるのを、避けもせずに叩かれるままにしておくと、寸前で戸惑うようにも手を止めた。 「なぜやめるんです?」 「……殴っても仕方ない」 再び息をついて、 「どうせ、それでもするんだろ……」 呟くのに、 「俺のことが、よくわかってきたじゃないですか…」 言いながら、ズボンの上からそこをさすると、 「……よせ、やっぱり……」 羞恥に赤くなり、目を伏せて、 「……こんな昼の公園で……」 と、両手で顔を覆った。 「だったら、ホテルにでも行きますか? この時間帯なら、空いてるはずですので」 「……そんなところ、行きたくない……」 簡単には承諾しないだろうとは踏んで、代替案を考えていた。 「……抜いてあげますよ?」 口にすると、 「…えっ、」 と、視線を上げて、 「……本当に、アレを抜いてくれるのか…?」 顔色を窺った。 「ホテルに行くなら」 言うと、 「……わかった」 と、彼は答えた……。

ともだちにシェアしよう!