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五章
「さ…さわるなっ…」
初めて襲った時のように平手が振り上げられるのを、避けもせずに叩かれるままにしておくと、寸前で戸惑うようにも手を止めた。
「なぜやめるんです?」
「……殴っても仕方ない」
再び息をついて、
「どうせ、それでもするんだろ……」
呟くのに、
「俺のことが、よくわかってきたじゃないですか…」
言いながら、ズボンの上からそこをさすると、
「……よせ、やっぱり……」
羞恥に赤くなり、目を伏せて、
「……こんな昼の公園で……」
と、両手で顔を覆った。
「だったら、ホテルにでも行きますか? この時間帯なら、空いてるはずですので」
「……そんなところ、行きたくない……」
簡単には承諾しないだろうとは踏んで、代替案を考えていた。
「……抜いてあげますよ?」
口にすると、
「…えっ、」
と、視線を上げて、
「……本当に、アレを抜いてくれるのか…?」
顔色を窺った。
「ホテルに行くなら」
言うと、
「……わかった」
と、彼は答えた……。
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