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七章
帰らずにいつまでもベッドの脇に突っ立ったままでいるのを、
いきなりスーツの襟を掴んで、ベッドに引き寄せて、
「……こうされたくて、来たんですか?」
迫った眼前に訊いた。
「……わからない……」
またしても曖昧な答えが返って、
苛立ちに任せて、
「わからないじゃない!」
声を荒げると、枯れた喉が咳き込んだ。
「……大丈夫か…」
気遣うような眼差しが、ただ苛立ちを募らせて、
「……そんなに犯ってほしいなら、してやろうか?」
と、身体を反転させて組み敷いた。
「…各務、」
自分を見上げる視線から目を背けて、
「……俺を、受け入れるな…」
低く唸って、
「……犯されたいんだろうがっ!」
込み上げる感情を叩きつけるように、シャツを引き破いた。
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