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「T01。今後二度と湊様とお前は会わせない。そしてあなたを殺すその時が来るまで、地下牢で死ぬのを待っていなさい。」
アキの冷たい瞳が朋也を見下ろす。
美しい人ほど怖い人物はいない…まさにこの言葉が合っていると朋也は思った。
それ程までにアキの瞳は冷たく、恐ろしいものだったのだ。
「Z2。T01を地下へ。」
「…っ」
アキは持っていたマグナムを腰ポケットに慣れた手つきで回転させて仕舞うと、朋也に背を向け、湊が横たわるベッドにゆっくりと近づく。
「あぁ、了解。」
待っていたとばかりにZ2が返事をする。
繋ぎ止められている鎖を引っ張り、恐怖で震える朋也の髪の毛を鷲掴みにし、無理矢理立ち上がらせる。
「いッ…!!」
「お前だけは簡単に殺してやんねぇから。徹底的に痛めつけて、なぶって苦しめて…生き地獄を味合わせながら死に追い込んでやる。自分がした事と同じ目に合わせてやる。ククッ…楽しみにしてろよ?犯罪者が」
楽しそうな笑みを浮かべながらゼロが朋也の耳元で呟いた。
朋也は恐怖を抱きながらもゼロを睨みつけるが、諦めたのかすぐに顔を逸らした。
だから誰も気づかなかった。
その表情に、笑みが浮かんでいた事を。
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