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「龍司、はじめましてだね。この子が私と朋也の宝物…『湊』よ。」 「―――っ!」 この子が…百合亜ねえさんの… 腕の中から感じる暖かい温もりと、柔らかい感触。 そして、8歳の幼い龍司の手よりも、更に小さい手。 瞬間、湊のビー玉の様に大きいキラキラした瞳が、龍司の瞳と重なった。 すると、眠そうな表情を浮かべてた湊が龍司を見るや否や、キャッキャッと可愛らしい天使の様な笑顔を龍司に見せてきたのだ。 「――ッ!!」 その瞬間 ――俺の中の闇が、一瞬にして光に包まれたように明るさを取り戻した気がした 「っぅ…っく…」 「龍司…?」 気が付いた時は涙が頬を伝っていた。 まるで何かから解放されたかのように涙が溢れてくる。 ボロボロと滝の様に流れてくる涙は、龍司の頬を伝い湊の服に染みを作ってしまう。 そして龍司の涙を見て首を傾げた湊が、その小さな手をゆっくりと頬に添えてきたのだ。 まるで、 ――泣かないで… とでも言っているかのように。 様子を見守っていた百合亜が驚きで目を見開くも、すぐに龍司を抱きしめた。 「龍司…っ、辛かったね…ごめんね…っごめんねっ…」 「うっ…くっ…」 なんで なんでこんなにも涙がとまらないんだ? 今までも人前でこんなに泣くなんて事はしなかったし、出来なかった。 それなのに、初めて会った湊の笑顔を見た瞬間 我慢していた全ての感情が溢れて、止まらなくなってしまったのだ。 自分でも分からなかった。 何故自分が泣いているのかが。 …もしかして もしかしてこの子は―― この子がおれを救ってくれるんじゃないか? おれを救うために、産まれてきてくれたんじゃないか…? そう思ってしまうほどに

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