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「言っている意味が分からないんだが…。トモに頼まれたドールとはなんだ?」
「あれ…?トモから聞いてここに来たんじゃないの?―――おまえまさか…勝手に入ってきたの?」
すぅっと子供の目が細くなり、顔つきが変わった。
人を殺しそうな程冷たい瞳は、まるで狙いを定めた獲物を捕らえたかのようにその瞳に龍司を映す。
「…そうだ。」
返事をした次の瞬間、四方から飛んできた何者かに、一斉に囲まれた。
左右からはこめかみに銃口を向けられ、背後からは尺の長い日本刀を首筋に突き付けられていた。
龍司は、然程驚きもせずにただ芹名を見る。
「――3人…か。証拠隠滅におれを殺すとでも言うのか?」
目だけを左右に動かし、囲んでいる人数を確認する。
見れば、龍司を囲んでいるのは龍司や芹那と変わらない子供の様だった。
…全く気配を出さずに、これほど一瞬で至近距離に近づいてくるという事は…恐らく何らかの訓練を受けているのか…それともただの見掛け倒しか…。
3人の子供は、全身黒のフード付きマントと般若の面を身につけており、首元には芹名と同じ黒い鉄製の首輪が付けられていた。
所有物の印を意味しているのか、監視の為なのか…どちらにしても悪趣味なのは変わりない。
芹名といい、フードを被った3人の子供といい、朋也は一体何を考えているのだろうか。
全く分からない。
「…驚いたぁ!君、この状況で眉1つ動かさないんだー?ふふっ、殺さないよ?トモの奥さんの弟くんなら尚更…。ちょっと君を試しただけ。」
冷ややかな表情を変えて、にっこりと笑みを浮かべた芹名は2回胸の前で手を叩く。
すると、龍司を囲んでいた少年達が銃と刀を下げた。
どうやら芹名の命令で動いているようだ。
「試す、だと?…フッ、本気で殺す事も出来ないくせに…人にそんなものを向けるんじゃない」
龍司は、銃と刀を下げて芹名の背後に戻った3人に挑発するように言った。
「――なに?」
その一言で、ぴくりと反応した芹名と殺気立った後ろの少年達に、ニヤリと口角が上がった。
「本気で殺す事も出来ない子供が、そんなものを持っていても、ただのオモチャにしか見えないと言ったんだ。」
面白い位に挑発に乗って来る…そう思った。
笑っていた芹名の表情から笑顔が消える。
「あまり調子乗んない方がいいよ?殺されたくなきゃね」
冷ややかな表情を浮かべた芹名がそう言うと同時に、少年達が一斉に飛びかかってくる。
―――こんな挑発にいちいちのってくるようじゃ、番犬の務めも出来ないじゃないか。
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