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第3話

「あの時は、インターンと寝るなんて思わなかったんだ。一晩だけだし、僕は結構酔ってたから状況判断も、記憶もあやふやだったんだ、」 「そうかもね。」 そろそろ日付が変わると言う真夜中、 二人はまた、若気の至りの様に焦れた様子で ホテルへと駆け込んだ。 風呂も済ませ、お互いの身体を拭きあう頃には すっかり、キスが馴染んでいた。 明親は、舌をキツく吸われるのが好きで、 正体の分かった男 高崎郁哉(ふみや)は、 恍惚とした表情を見せる明親の舌を吸うのが好き。 あの日の記憶を辿る様に、声に出してみる。 「インターンはあの日で終わりだったから。 それで、お疲れ会に僕も参加した。」 「俺もその一員で、 あの後会社から仮内定貰った。」 話す間も唇は触れ、 手はお互いの身体を隅々まで撫であげていく。 「そのインターン最後の日に、 お疲れ会で俺が焼いたお好み焼きを食べた後 あんたは俺に抱かれた。 ここで、俺を受け入れてくれた。」 「ぁ、う...ンぅ。」 郁哉の指が、 明親の孔に指をぐっと押し当てた。 風呂場でよく慣らされたそこは、ひくりと太い指先を飲み込もうとしている。 「あー、欲しがってるよアキチカさんのお尻の孔。さっき、散々ココに俺の指挿れたからだ。」 「そんな、焦らすな...っ、」 ぺちぺちと、指先を孔に叩きつける。 それだけで、そこは浅ましく淫らに反応する。 「あ、自分で食べちゃったよ。分かるアキチカさん?」 分からない筈がなかった。 郁哉は指を押し当て、 ぺちぺちと孔をなぞっただけ。 挿れようという意思すら、感じ取れなかった。 つまり、彼を欲しがっているのは明親の方。 「早く、抱いてくれ。」 郁哉の肉棒に、掌を這わせ逞しい胸板に唇を寄せ囁く。 「枕、もっと上だよアキチカさん」 ベッドになだれ込む様に、倒れた明親。 散々慣らされ、指まで加えさせられた孔はもっと太いものを求めていた。 「いいから、」 「良くない、"また"指噛むのはダメだから ちゃんと枕握ってて。」 焦れて、郁哉の腰骨に手を伸ばした明親の手首を片手でまとめて枕に押し付けられた。 握れと言われたので、仰向けの状態で 枕の左右の端を握って、 郁哉が言う事を黙って待つことにした。 「もう少し、アキチカさんに触りたい。」 「ぇ、こら何するんだ...は、ぁあッ、ンくぅ!」 脚の間を陣取ら、呆けて待つ間に明親は 硬くなった下肢を眼下の男の唇に覆われてしまった。 ばくり、と含まれじゅぶじゅぶと唾液の混じる音がする。 何度もキスで絡ませあった分厚い舌が、 今は明親の肉を味わっている。 後ろの柔い膨らみも、やわやわと揉まれ感度はさらに増す。 「ふみ、や..,後ろ、もぅムリ、だから」 とうとう我慢が出来なくなった明親は、 腰にしゃぶりつく郁哉に、自ら尻に手を這わせヒクつく孔を拡げて見せる。 「...エロ過ぎ。」 「ん...な、に?」 「えぇから、後ろ向いてアキチカさん。 あんたが欲しいもん、直ぐに挿れてやるから。」 宣言通り、郁哉は俯せになった明親の孔へ直ぐ様、硬く張り詰めた肉棒を挿入する。 「ふ、く...っ、う、ンンッ!」 「キツいな、アキチカさんもしかしてオトコ久しぶりやった? 少し、力抜いて。俺をあんたのナカに挿れせて。」 挿入しながら引き寄せた腰を、さらりと撫で懇願する。 それから、空いた手で明親の震える熱を扱き 食い締める明親のナカを優しく宥めていく。 すると明親のナカが淫らにヒクつき、柔く郁哉の肉に絡み始めた。 ゆるゆると腰を揺する度 明親の弱い部分を擦り上げ、最奥を目指す。 「ぁ、あ...イイ...そこ、ふみや」 膝を立て小さな尻を懸命に振り、快感のままに肉棒を欲する明親の姿は、 6年ぶりに会い来た男を、煽るには充分だった。 「アキチカさん、ココが好きやったよな。」 「ひィッ、くぁあ...アッ、!」 郁哉が突如、明親の前立腺をカサが増した肉棒で抉り始めた。 「ヤだ...ヤだそれ、ヤらぁ、ふみ...や、!」 最早、激しすぎる快楽に膝を立てていられず 膝がベッドに崩れ落ちる。 どうしようもなく、ピンと足まで伸ばしているのに、後ろからの郁哉の抽送は止まない。 「そんな格好してもムダ、アキチカさん。 可愛い尻が丸見えで、 ほら、余計に俺のがあんたの根元まで挿入ってる。」 更に、肉を打つ音がやけに大きく響き始めた。 「ンふ、ぅう...ア、ぁあっ、...そこ、!」 言われた通り、頭上の枕を握りしめていた明親だがズンズン突き上げられ、いつのまにか頭に敷いていた枕を胸元まで引き寄せ、なんとか快感を逃がそうと顔を埋める役割に徹していた。 「そんなん抱えんと、こっち向いて。」 「ぅ...?」 やっとの思いで振り向いた明親を待っていたのは、濃厚なキス。 明親の好きな舌をキツく吸う愛撫と、 でろでろになるまで舌と唾液を絡ませ、 それをコクリと飲み込んだ。 「...ン、ふ」 キスの合間に止まったピストンを、 明親のナカは乞うようにきゅむきゅむと縋ってみせる。 それから、甘ったるい声も。 「...ふみ、や。」 「さっきのトコ、もっと当てて欲しい?」 「ぁ... ... ...欲しい、」 ゆらり、と俯せに突っ伏した明親の尻が揺れる。 それはまるで、自分からイイトコロに押し当てるかのような卑猥で艶かしい後ろ姿。 「ひ、ィああっ、ア!」 「...ぁ、くそ、ナカすげぇ。」 その後ろ姿に翻弄されるまま郁哉は、明親の最奥を突き上げた。 「ふみや、ふみゃ...っ、!」 めちゃくちゃに押し寄せる快感と、 腹を満たす肉棒に明親の限界が近付いてくる。 無意識のうちに喘ぐ声の隙間に、郁哉の名前を呼ぶ。 「イキそう?もうナカずっと痙攣してる。 いいよ、いつでもイッて。」 切なげに呼ぶ声に、答えてくれた郁哉も 店に来た時には見せなかった余裕の無い声をしている。 つまり、郁哉も限界が近いのか。 「一緒、がいい...っ、」 恥知らずな事を口走ったかも、と思う余裕すら無く ただ、こうされるのが好きなまま郁哉に強請っていた。 「いいよイッて、俺もイクから...は、ぁアキチカさん、は、クッ!」 「ァぁあっ、ふみ、やぁあああーーーー」 激しいピストンの末、 果てたのは二人ほぼ同時だった。 郁哉の剛直は、明親のナカで果て熱い白濁を最奥に叩きつけてイッた。 「ん、ふ...っ、んぅ。」 腹のナカを叩きつける感覚は、 既に果てた筈の明親の肌をまたヒクつかせ、 今度は、吐精しないまま絶頂した。 「ナカが、俺のを扱いてる。」 「は、ぁ...、ふっ、ン。」 「落ち着くまで、待ってるよ。」 そう言って、郁哉は挿入したまま明親の首や肩や背中いっぱいにキスをしていく。 「また、あんたが抱けて嬉しい。」 アキチカさん、とカタコトの様な発音で郁哉が言う。 「あの時、朝起きたらあんたの連絡先聞こうと思ってたんだよ。 なのに、現金とメモと洗濯された俺の服しかなかった。」 「ふみ、や?」 「あんた、あの時なんで逃げたんだよ。」 それは、切ない声と諌める様な厳しさが含まれた声だった。 あの時の情事の後も、 こんなやるせない気分だった。

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