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第3話

次の日、顔を合わせた時は流石に気まずかった。 それでも、怒られることはなく どこにいたのかしつこく聞かれることもなく…… 開口一番に言われたのは 「あー……飯、食う?」 自然過ぎて、不自然。 罵倒してくれたなら、ごめんで済む話。 でも、向こうがアクションを起こさないのに、こちらが言い訳を並べるのもおかしな気がして。 あれから、中身のある会話を交わしていない。 *** お泊りデートの予定は、1ヵ月前に決まっていた。 特に何かの記念日とか、そんなロマンチックな理由じゃなく。 「どっか行く?」 そんな気軽な誘いだったと思う。 たまたま見ていた雑誌に載っていた、天然氷のかき氷。 それに司が喰いついて、あれよあれよという間に泊まりの話に。 久しぶりのお泊りデートに、重かった気分がふんわり軽くなる。 それなのに、それなのに……・ ――何やってんだか、俺。 項垂れるのは、気持ちのせいか熱のせいか。 枕に鼻を押し付けると、司の匂いが脳を揺さぶる。 ぶるりと寒気を感じたが、そんなことよりも下半身が尖った。 リビングに司がいるという状況が、羞恥心を煽る。 熱で視界がぼやけてきたのか、快感で揺れてるのか…… 小刻みに揺れるベッドの軋む音が、どうか司の耳には届きませんように……と念じる。 腰がズンと重くなると同時に、テイッシュに欲望の塊を素早く受け止める。 行為を終えて大きく息を吐くと、天井が高く感じた。 後ろを使わないでイくのは、ここ何年かぶりで 「なんだ。俺もまだまだオスじゃん?」って妙な自信が湧く。 男のシンボルを手の平で遊ばせていると、身体の力が抜けた。 熱のせいか、気持ちのせいか、行為のせいか 身体が重くて重くて、底なし沼のようにベッドに沈み込んでいく。

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