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第11話 待ち合わせって難しいですね

Biz Festにいくつもある出入口。待ち合わせはBlueゲートの眼鏡屋の前。 約束の時間を5分ほど過ぎたところで透流は溜息を吐いた。そして待ち合わせ相手に電話をかける。 「サクミン?今どこ」 『それが、近くまでは行けたんですけど…あの、輸入雑貨屋さんの前で…』 「了解、迎えに行く」 慣れた会話。透流は待ち合わせ場所を離れてメイン通路の先にある輸入雑貨屋へと移動した。店の前で若い男2人が朔未を挟んで言い寄っているのが見える。スマホを両手で握りしめて困り果てた朔未の姿に少しだけ足を速めて近づく。 「あはは、面白いね!本当は風邪ひいて声が低くなってるだけでしょ」 「本当に男なんです…」 「じゃあ付いてるか見せてよ」 「胸揉ませてくれたら信じても良いよ」 「すみません…待ち合わせをしてるんです…行かせてください」 「はいはい、散ってもらえる?」 道を開けるように朔未を挟む2人を両腕で押し除ける透流の登場に、怯えていた朔未が安心した様子で男達から距離を取った。 「何だてめぇ」 「何って、この子の待ち合わせ相手だけど…そちらは?」 「う…こ、こちらは…えっと」 首を傾げて気怠げに聞く透流の圧倒的な勝者のオーラ。見下してくる視線に男達は言葉も出ない。 「透流くん…すみません、待たせてしまった上に、面倒をかけてしまって」 「サクミンと待ち合わせると、これだからねぇ…」 「冬服は体型が隠れてしまって…夏よりもよく捕まるんです」 「それは難儀な事で…どした?」 透流の腕に手を通して恋人のように寄り添う朔未。 「なので、絶対はぐれないで下さいね」 「それはこっちの台詞なんだけどね…まぁ、この方が足止めされなくて済むかね」 腕を組む姿が、男女の恋人同士にしか見えない。 「工房からはバイクで来たんですか?」 「そ、帰り乗っけてあげようか」 「俺がバイクは怖くて乗れないって知ってて言うんですから…もう」 「ははっ、それより予定通り眼鏡屋さんで良い?」 「はい、実用的な物がいいと思って…透流くんが選んでくださいね」 「ええ?誕生日プレゼントなんだからサクミンが好きなので良いんでない?」 「俺が選ぶといつもと同じのになっちゃいますから」 朔未の誕生日から半月。都合を合わせる事に成功した為、遅めのプレゼントを買いに来たのだ。 スペア用の眼鏡が欲しいと言う朔未のリクエストで待ち合わせを眼鏡屋の前にしたのだが、ゴール目前でナンパに足止めされてしまったらしい。朔未がナンパに捕まる事は珍しくない為、透流も慣れてしまった。確かに道行く女性たちより愛らしい幼なじみ。 「サクミンは顔立ち的に今使ってるスクエアか、ハーフリムタイプが似合うんでない?」 「落ち着くのはスクエアです」 「ん、じゃあそれで選ぼうか」 「はい」 その後、眼鏡屋で試着したのだが。眼鏡によって印象の変わる朔未を見るのが楽しくて、わざと色々試させる透流。それに朔未が気づいて膨れっ面になった頃合いで、序盤に決めていたスクエア型のモカブラウン色でブリッジが高めの眼鏡を改めて掛けさせる。目の位置とのバランスも合い、よく似合う。 「印象変えたいならボルドーも似合うと思ったけど、こっちの方がサクミンって感じよ?…うん、可愛い」 「良いですね、これ!俺も気に入りました」 「はーい、じゃあ決定で」 「視力測って来ます」 敬礼してフレーム片手に受付に行く朔未。待合室のソファに座って通路に目をやる透流。通りかかった身長差が凸凹の2人組はどちらも見知った人物だった。 猫背気味にのろのろ歩く花結の袖を掴んで引率するアスト。意外な組み合わせだ。 (おやまぁ…珍しい) そう思ったが急いでいる様子だったので声はかけないでおく透流。 「千代田氏…もう少し遅い時間では駄目でしたか」 「何を言っているんです、もう昼になりますよ!大体、貴方は不健康です、夜中に出歩かないで、たまには日光に当たるべきです」 「うぅ…人が多い…」 「日曜のショッピングモールに来ているんです、当然でしょう」 「自分は人混みが苦手で…ひっ」 少し厳つめの客とすれ違っただけでアストの後ろで縮こまる花結。 「まったく情けない…はい、着きましたよ!どこですか?案内して下さい」 アストが仁王立ちするのは2階のゲームセンター前。こくこくと頷いて、人の少ない通路を選びながら遠回りして目当てのクレーンゲーム へと辿り着く花結。 「これです」 「ふむ…人形ですか」 「フィギュアです…アミューズメント限定で、市内だと入荷店舗はここだけでして…自分としては是非とも欲しいのですが…人目が気になって出来ないのです」 「これは箱物の橋渡し…最初に言っておきますが、一回では取れない置き方ですよ?アームの力によっては時間がかかるかもしれません」 「あ、大丈夫です…お金はあります」 「よろしい、では僕は始めているので両替をしておいてください」 「は、はい」 真剣な眼差しでクレーンゲーム に挑むアスト。 (それにしても、花結さんに取って欲しいと頼まれる人形は、いつも恋愛シミュレーションと書かれたポスターに載っている男性キャラクターですね…) クレーンゲーム のディスプレイに貼ってある商品紹介ポスターには乙女の恋愛シミュレーションと銘打って、キラキラ加工の紙に主要キャラクター達が並んでいる。 「千代田氏…とりあえずこれで」 メダル用のカップに溢れんばかりの100円硬貨。 「なっ、多すぎです!残ったら財布が重たくなるでしょう!」 「うぅ…すみません」 「何度かやってみた感じでは、それなりに動きます…15回を目安に落とします、待っていてください」 「は、はい」 白いパーカーのフードを深く被ってそわそわと周りを気にする花結。ただ景品を見ている女子達の視線を勝手に気にして俯く。そしてずるずると屈んで機体に身を隠す。 「花結さん、足元に屈まないでください」 「すす、すみません…自分は若い女子が苦手で」 「僕にはよく分かりませんが、シミュレーションゲームをやっているんでしょう?人との会話は得意になるものではないんですか?」 「現実と二次元を同化しないで下さい…確かに自分はネットの中では饒舌で、ゲームの選択肢も全て攻略してきましたが…現実では無理なんです…人の目が、人と話すのが…無意味に怖くて」 「人目を気にするのは悪い事とは思いませんが、程度があるでしょう…とにかく屈んでいては他のお客様の通行を妨げますから立って下さい」 「は、はい」 ゆっくり立ち上がると若い女子達と目が合う。ヒィッと小さく悲鳴を上げて女子に背を向ける花結。 「あの人~……じゃ無い?」 「私も思った………っぽいよね」 ヒソヒソと小声で交わされる女子達の会話。 (キモいって思われてる…言われてる) 「花結さん、どうしたんです?」 「千代田氏…自分、店の前のベンチに座って待っていてもよいですか…人酔いしました」 「大丈夫ですか?分かりました、此処は僕に任せてください」 「で、では失敬」 花結は足速に人の少ない通路を縫ってゲームセンターから出て行く。 アストの近くでは花結の立ち去った方を見ている女子達。 「あれー、行っちゃったよ」 「えー!残念…ビジュアル系っぽくてカッコ良かったよね」 「バンドマンだったらバンド名聞こうと思ったのにぃ」 溜息を吐いてベンチに座る花結の隣に小太りの若い男が座る。視界の端に入った指にはタトゥー。 それだけで恐怖を抱いた花結は座ったばかりのベンチを立とうとする。しかし、タトゥーの入った指が細い太腿を掴んできて立ち上がれない。 「金出せよ、持ってるんだろ」 耳元で低く囁かれる言葉に身体が震えだす。道行く人は誰も気付いてくれる様子はない。 「あ…ぅ」 恐怖で声が出せない花結に苛ついた男が太腿を掴む指に力を入れる。 「早くしろ」 震える手で財布を取り出す花結。 「そういうの、良くないと思います」 「あん?」 2人の前に緊張した面持ちで立っていたのは、花結とは顔見知りになったばかりの笑武だった。 「さ、栄生氏」 「こんにちは…今日は友達とゲームで対戦をしに来ていて」 「た…助けてもらえるのですか…」 「あ、はい…頑張ります」 「ハハッ、何だよ弱そうなお友達だな?そうだ…お前も出せよ」 「お断りします、それ…かつあげって言うんですよ、恐喝は犯罪です」 「バレなきゃ良いんだよ、なぁ?」 花結の太腿を掴む力が更に強くなった。 「ひっ…ぁ、あの、自分の財布は渡すので、栄生氏の事は許して貰えませんか」 「何言ってるんですか!ダメですよ!」 「おい、次大声出したらコイツの顔を裏拳で潰すぞ」 「ッ……」 その時、身動きできなくなる笑武の背後から何も知らない連れが甘えるように抱きついてきた。 「遅いし!いつまでトイレ行ってんの!また勝ち逃げしたのかと思ったじゃん」 「さ、沙希さん!…ごめんね、待たせて」 「あれ、花結?」 「ヒッ!伊吹氏…もしや、この方…あなたの仲間ですか」 小太りの若い男を見て沙希は首を傾げる。 「誰、このダルマ…ってか、花結の脚触ってるし…痴漢?」 「誰がダルマだ!誰が痴漢だ!」 「この人が花結さんをかつあげしてたから、助けに入ったんだけど…お金を出さないと花結さんに危害を加えるって言ってて」 「え?マジ?」 甘えた雰囲気を消して笑武の後ろから、隣に並ぶように立つ沙希。 「はっ、またカモが増えたな」 「俺が大人しく言う事聞く訳ないじゃんね、そいつ離さないと痴漢って叫ぶし!男に痴漢したって恥かくの嫌なら帰れよダルマ」 「この…!」 挑発に乗った男が花結を離して立ち上がった。そして沙希の胸ぐらを掴む。その隙に笑武は花結を立ち上がらせて自分の後ろに避難させた。 「沙希さんっ」 「汚い手で触んなよ、俺は手ぇ出さないし…こんなショッピングモールの通路で何が出来んの?やる事あるならやってみろよ」 キッと相手を睨みつける沙希。男は最初、沙希の顔を見て余裕の笑みさえ浮かべていたが徐々に視線を上に上げていくと顔を引きつらせて掴んでいた胸ぐらを離す。 沙希のすぐ後ろで190cmの身長を誇る龍樹が腕組みをして睨みを利かしていたのだ。突如現れた大男の迫力に男は悔しそうに唸って逃げ出した。 「あはっ、逃げたし…うわ!店長?!びっくりした!いつから居たんだよ!」 振り向くと壁のように立っていた龍樹に驚く沙希。 「あー、怖かった…トイレから出て来たら、うちの可愛子ちゃんがピンチだったからよ」 見た目とは裏腹に沙希に抱きついてすりすりと頬擦りしている龍樹。 「やめろバカっ、コイツの方が痴漢だしぃ」 「花結さん、大丈夫ですか」 「は、はい…ありがとうございました…伊吹氏、申し訳ないです…あの人を、あなたの仲間などと言ってしまって」 「別に…お前に言われるのは仕方がないじゃんね…前に俺の仲間が同じ事してたの知ってるし」 「そうだったんだ…」 「笑武は?平気?」 「うん、何もされてないよ…花結さんも財布を取られずに済んだし」 「…まぁ、取られても構わない物ですけどね」 「だ、ダメだよ!」 「ダミーなんです、この財布」 「え?」 手にしていた財布を開けて見せる花結。中には何も入っていない。 「自分は、よくああいった輩に絡まれるので…これを渡して、逃げるようにしてるんです…本気を出せば、足は速い方なので」 「あはっ、逃げるが勝ちってやつ?」 「はい…そうやって生きていくしか無いんです、自分みたいな人間は」 「…花結さん」 「あ、店長!玲司は?俺たちがゲームやってる間、龍と話してくるって別行動になってた筈なんだけど…」 周りを見ても玲司の姿は無い。 「おお、マブダチなら店番頼んだんだ!バイトが休憩と早退で俺1人だったんだけどよ、どーしてもトイレに行きたくなって…ちょうど暇だったんで、トイレ行く間だけ店見ててくれってな!何か喚いてたけど、膀胱が破裂しそうだったんで置いて来ちまったな」 「なっ?!…玲司の方がピンチじゃん!笑武、俺ちょっと行ってくる」 慌ててRe:Dragonの方へと駆けていく沙希。 「花結さん、お待たせしました…ん?笑武君じゃありませんか、何故ここに」 獲得したフィギュアと袋に移した余った分の硬貨を持ってゲームセンターから出てきたアストに笑武の方も驚く。 「アストさん、こんにちは…俺は沙希さんと奥のアーケードゲームコーナーに居たんです…玲司さんに乗せてきてもらって」 「なるほど、他に同乗者は居ませんか?」 「え、はい…3人で来ましたけど」 「それは助かりましたね…花結さん、僕たちも帰りは玲司に送ってもらいましょう」 「そ、それは自分が決める事ではないです」 「任せてください、僕が頼みます…まぁ、あの人は嫌とは言いませんよ」 アストからフィギュアを受け取ってギュッと抱きしめている花結。 「ありがとうございます、千代田氏」 「15回目で獲得出来ました、僕の計算通りです…余ったお金は財布に入りきらないでしょう?このまま持ち歩くのは危ないので、どこかで両替してもらいましょう…ゲームセンターでは硬貨から紙幣への両替が出来ないようなので」 「それならうちの店で両替してやるよ、ちょうど釣り銭用の硬貨が不足してたとこだ」 「ありがとうございます、ところで貴方は?」 アストと龍樹が並ぶと、その身長差はまるで大人と子供だ。 「沙希さんの勤め先の店長さん…ですよね?」 「おお、沙希の上司で玲司のマブダチ…羽島龍樹だ、よろしくな」 ((大きい…)) 龍樹を見上げる3人。 「店はすぐ近くだ、まあ暇な時間の方が長いけどな…今日は日曜だから比較的忙しく…」 Re:Dragonのある方へ通路を曲がると、店がやけに賑わっている事が遠目でも分かる。笑武が店を指差す。 「こ、混んでますけど?」 「なんだなんだ?」 「玲司君、今日はお買い物なの?おばちゃま達が服を選んでさしあげましょうか?おほほほ」 「は…はは、遠慮します…沙希、何とかしてくれ」 「こっちレジで手一杯だから無理!」 「ふふ、レジの最後尾はこちらですよー」 「おやまぁ…どうしてこうなったのかねぇ」 Re:Dragonの店内ではレジを1人で対応する沙希と、服を手早く畳んで棚の手直しをしている透流。 そして客の列整理をする朔未とペットショップの常連マダム達に囲まれて困り顔の玲司という大変な状況になっていた。 「あの、連絡先交換しませんか!」 「無理です、店の規則で禁止なんで」 「君可愛いね、彼氏いるの?」 「すみません…俺、男なんです」 玲司だけでなく沙希や朔未も客寄せの一因になっているようだ。 「あの、もしかしてZUMAブランドのクリエイター、東透流さんですか!私ファンなんです!」 「ん?よく分かったね…ありがとう」 更には女子学生達が透流を囲み出してしまった。決して広くはない店内に人が溢れている。 「あ!店長ー!早く仕事しろよ!」 「うわー…あ、いらっしゃいませー」 そそくさと仕事に戻る龍樹。休憩から戻って来たバイトが急いで手伝いに入ると、うまく回り出した店内。落ち着いたところで本来は休みの沙希が抜ける。 「今の分の給料出してもらうからな!」 「おう、任せろ!今日は大忙しだったな!はっはっはっー」 「ったく…とんでもない目に合ったぜ」 脱出に成功した玲司達は店の前で立ち尽くす笑武達と合流した。 「笑武ー…疲れたぁ」 「お疲れ様、沙希さん…なんか凄かったね」 「店に行ったら玲司がおばちゃん達に捕まっててレジに誰も居なくてさ、客が待ってんの」 「何でアイツは俺がレジ打てると思ったんだよ…呼び止めたのに行っちまうし…沙希が来てくれて助かったぜ」 「俺と透流くんは通りすがりに困っている玲司くんを見かけたので、できる範囲でお手伝いしてました…楽しかったです」 「楽しかったのサクミンだけだと思うよー?」 「皆さん、お疲れ様でした…玲司、帰りですが僕と花結さんも便乗して構いませんか?運転手含めて8人まで乗れますよね」 「それならサクミンもお願いしていいかい?俺はバイクだから」 「お願いします」 「ん?ああ…それは別に良いけどよ、俺と沙希と笑武はこの後、メシ行く予定だぜ」 「それは良いですね、俺もご一緒します」 「さ、朔未さんと食事…!…僕も!ぜひご一緒させて下さい!」 玲司が花結を見る。 「お前はどうする?他に予定無いなら、連行するぞ」 「あ…あの…自分も…今日は夜まで、予定ありません…夜はゲーム実況の生配信を観る予定が」 「よし、じゃあ決まりだな」 「透流くんは?」 「俺は工房戻るよ、後はそちらさん達で楽しんで」 「はい、今日は…いえ、今日もありがとうございました」 「どう致しまして…じゃあ俺はここらで失礼するよ、はぐれないようにね」 ひらひらと手を振って立ち去る透流。 「透流さんってバイク乗ってるんですね…かっこいいなぁ」 笑武が目を輝かせて憧れの眼差しを透流の後ろ姿に送っている。 「はい、工房の方に停めているのでヴァルトでは見ないかもしれませんね」 「朔未さんも一緒にバイクで来たんですか?」 「え?ふふっ…俺はバスで来ましたよ、バイクは乗らず嫌いで」 その返答にアストが大きく頷いた。 「賢明ですね…バイクなんて身体が密着する乗り物に乗るなんて危なすぎる」 「え?」 「い、いえ!何も!そうだ、店も空いて来たようなので今の内に両替してもらいましょう!花結さん、行きますよ」 「は、はい…」 アストと花結が龍樹に両替をしてもらうのを待つ間、朔未と笑武は沙希がモデルをしている店頭チラシを手に取ってはしゃいでいた。その様子を見ながら玲司は沙希に言う。 「龍に話は聞いてるけど、お前ちゃんとやってるんだな…レジも手慣れてて安心したぜ」 「当たり前じゃん…店長があんな感じだからさ、嫌でも慣れるし」 「ははっ、確かにな…けど、アイツにお前を預けて正解だった」 「どっちかと言えば、俺が店長の世話してるんだからな!」 行きは3人で乗って来たミニバンに、6人が乗って帰る事になった。途中、気軽に利用できるバイキングに寄ったのだが、1番細身の花結が単なる大食いの類を越えて底抜けに食べる事に一同が驚く。知らない一面が毎日のように出てくる、そうして相手を知っていく度に親密度は上がったり、下がったりしていくのだ。 それはまるで恋愛シミュレーションゲームのようだった。

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