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第15話 食べちゃいたーい!
3-A号室の呼び出し音を鳴らしてすぐ。出てきた住人に笑武は引きつった笑顔を浮かべた。
明るい橙色の長髪に黄色いカーラーをたくさん付けて、上下セットの黒いジャージ姿の男性。起きたばかりなのか髭も少し伸びている。眠そうな目蓋を持ち上げて笑武を見つめる青系の混色をした瞳。旅行帰りだからか、疲労感が漂っている。
「あ、あの…すみません、改めましょうか?」
「ん?…んん?…あなた…」
ずい、と身を乗り出して顔を近づけて来た相手に思わず飛び跳ねるようにして身を引く笑武。
「俺は…先月1-B号室に越して来ました、栄生笑武って言います…よろしくお願いします」
距離を開けたまま腕を伸ばしてタオルを渡そうとすると、やっと目を醒したのか重たかった目蓋が開き、二重の優しそうな垂れ目がカッと見開かれた。
「…だ」
「…だ?」
「やっだー!!可愛い~!食べちゃいたーい!」
「うわああ!」
タオルではなく笑武の手首を掴んで引き寄せると、その両肩をがっしり掴んで興奮気味に喋り出す3-A号室の住人。
「笑武ちゃんって言うの?いい名前ねぇ、私は柏森 律紀 、みんなのリッキーよ、よろしくねん」
ウインクをすると、エクステでボリュームを盛った睫毛の長さがよく分かる。
「よろしくお願いします…リッ…律紀さん」
「ああん!こんなにチャーミングな子が引っ越して来たなんて知ってたら、もっと早く帰って来たのに…ちょっとやだ!私ったら寝起きでスッピンじゃない!」
笑武を解放して自分の顔を隠すように手で覆う律紀。
「あ、大丈夫です…俺の方は気にしないんで」
「ごめんなさいね、1ヶ月くらい旅行に行ってて…まだ休みボケしてるの」
「色々、行ってきた感じですか」
「主に港町にね、何で港町って観覧車がありがちなのかしらー…あ!そうだ、お土産あげるわね!遠慮しなくていいのよ、何も考えずに買い漁ってきたものだから~」
律紀は言いながら部屋の中に戻って行き、土産物が詰まった紙袋を漁っている。
「え!俺、会ったばかりだし!お土産なら他の人達に」
「んふふ、こっちも貰ってるんだからお互い様よ」
「でも俺の方は挨拶だし…」
「お近づきの印でしょ?わ・た・し・も!」
レトルトカレーの箱を3個手に戻って来た律紀はマスクも着けていた。余程スッピンを隠したいらしい。
「あ、これ…!有名な海軍のカレーですね」
「そうよ、甘口と中辛と辛口どれがいい?いいわ!全部あげちゃう!」
「中…えっ!?」
答える前に3個とも笑武に押し付けて、返却は受け付けないと手を後ろに組む律紀。その押しの強さに降参して笑武は3個とも貰い受ける事にした。
「気分に合わせて食べてちょうだい」
「ありがとうございます…食べ比べしてみます」
「もう他の子達とは仲良しちゃんになったの?私だけ出遅れちゃったかしら」
「はい、ヴァルトは良い人ばかりで仲良くしてもらってます」
「あらあら、じゃあ私も追いあげなくっちゃ…アストちゃんから連絡が来ていたけど、今度あなたの歓迎会があるそうじゃない!私も参加するわね」
「あはは…俺なんかのためにって思ったんですけど、朔未さんとアストさんがセッティングしてくれたみたいなので、今は楽しみにしてます」
「そうね、普段あまり話す機会のない人とも仲良くなれるチャンスよね」
「はい…来てくれるか分かりませんけど、透流さんとはまだあまり話した事がなくて」
「あらぁ、透流ちゃん?あの子は一線引いて浅く広く付き合うタイプよね…でも私は彼のミステリアスゾーンに一歩踏み込んでみたいわ…はぁ、好き」
「あ、あとは梶本さんとか」
「ああ、勇大君ね…あのムキムキの肉体でシェフなんてセクシーよね、私も味見して欲しいわ…はぁ、好き」
「…と、とにかく楽しみにしてます!」
これ以上名前を挙げてはいけない気がして笑武は会話を切り上げた。
「あ、ねぇ…昨日、久しぶりに帰って来たからリベルタに寄って勇大君と話してたんだけど、私のいない間にヴァルトの周辺、なんだか招かれざる客がウロチョロしてるそうじゃなぁい」
「そうなんです、律紀さんの部屋にも変な手紙が入ってましたよね」
「姫、愛してる…でしょ?私なにも知らなかったから、ヴァルトの誰かが私に宛てたlove letterかと思って舞い上がってたのよ…だってヴァルトにはイケメンしか居ないもの!誰からでも大歓迎よ!」
「うっ…あの、投函したのはヴァルトの人じゃないみたいです」
「そうみたいね、とっても残念…それで、その足で管理人さんのところにも寄って来たのよ」
「え!そうなんですか!」
「あら、だって管理人さんにも何か聞き回ってる可能性があるでしょ」
「確かに…1番住人に詳しいのって管理人さんですよね」
「お土産も渡したかったし、何より不審者なんて恐いじゃない?」
「はい、朔未さんとか不安だと思うし」
「そうよね、私とサクミンちゃんは特に姫ってイメージが似合うものね」
(律紀さんもなんだ…)
「それで、管理人さんが言うにはね…ひとつ変な問い合わせがあったんですって」
「変な問い合わせ?!」
律紀が頷いてドアから体を乗り出すようにして、3-D号室を指差す。
「3-D号室が空室でしょ?そこを借りたいって言ってきた人が居たみたい」
「3-D号室を…」
「入居者募集も出してないのに、直接空室を確認して聞いてきたみたいだから変に思ったって!断ったそうだけどね…そもそも3-D号室は、空室であって空室じゃないのよ」
「それは、どういうことですか?」
3-D号室は空室。そう聞いていたし、思っていた笑武は首を傾げた。律紀は目元で笑うと声のトーンを落とす。
「実はね…3-D号室の契約者は、幽霊ちゃんなのよ」
「え………ゆっ?えーー!」
青ざめて鳥肌を立てながら叫ぶ笑武。
「やぁだ、怖いの?可愛い~」
「怖いですよ!俺、ホラー系は無理ですっ」
「うふふ、半分冗談よ!でもずっと空室なのに入居者は募集されない謎の部屋なのは事実、誰も住んでいないのに、時々物音がするらしいし… 管理人さんが家出用にしてるって噂だけど…ヴァルトならきっと幽霊ちゃんでもイケメンね!」
「うっ…管理人さんだと良いんですけど…」
「大丈夫よ、今まで悪さされた事無いもの…それより怖いのは不審者の方よ、勇大君が3階で怪しい男に遭遇したそうだから、きっと3-D号室が空室か確認しに来たのね…入居者募集はしてないけど、郵便受けが閉じてあるから例の手紙を入れた時に見たんじゃ無いかしら…管理人さんの連絡先は掲示板に書いてあるし」
3-D号室の郵便受けにはテープが貼られていて、空室がある事は外部からでも分かる。だが、一般的には募集の告知もされていないのに直接問い合わせたりしないだろう。
「確かに、不自然ですね…その人」
「ウフッ、でも私が帰って来たからには安心してちょうだい、こう見えても学生時代は空手を習ってたの…見つけたら撃退してやるわ」
言われてみれば口調や仕草を除けば長身で体幹のしっかりした男らしい体格の律紀。手足も長く、身なりを整えればかなりの美男だ。
「律紀さん、普段は何をしてる方なんですか?美容系…とか」
「私?いいえ、私はね…みんなのリッキーよ!」
テーマパークの着ぐるみのようにポーズをとる律紀。
「……」
寒い風が吹き抜けた。
「大道芸人!」
「あ!なるほど…」
「だから留守にしていたのは、半分はお仕事…私の車って小さいでしょ?可愛いから一目惚れで決めちゃったんだけど、大道芸って荷物が多いの…だから仕事の時はパパの車を借りたり、レンタカーを借りたり…国内外、呼ばれればどこにでも行くし、天気が良くて許可が取れればストリートでやったりもするわよ!」
「大道芸…見かけると、つい立ち止まって見ちゃいます」
「あらぁ、いいお客様!やっぱり芸は見せ物だもの、お客様が多ければ多いほど嬉しいわ」
「今度、律紀さんの芸も見てみたいです」
「この辺りだと、ビズで時々イベントスペースに呼んでもらってるから、そのうちに見に来てね」
「はい、ぜひ」
ドアを閉めながらマスク越しに投げキッスをしてくる律紀に苦笑いを返す笑武。
(確かに、賑やかになりそうだなぁ…)
階段を降りる前に、3-D号室の方を見る。
『実はね…3-D号室の契約者は、幽霊ちゃんなのよ』
まだ朝で、物音や人の気配はもちろんしない。普通に考えれば物音は管理人の私用で使われているせいだと考えた方が、幽霊よりは信憑性がある。しかし笑武は律紀の言葉を思い出して身震いした。
「失せろ!」
「うわぁ!!ごめんなさい!」
幽霊の事を考えていた時に、突然怒鳴り声が聞こえて涙目で手を合わせて成仏を祈る笑武。
「二度とこの俺の前に汚いツラを見せるな…不愉快だ」
(あれ…この、声は)
『…不要だ』
一度だけだが、聞き覚えのある低音で雑の無い声。
(幽霊じゃない…1-D号室さんだ!)
慌てて3階の通路から下を覗き込むと、駐輪場の近くで狼狽ている中年男が確認できた。鉢合わせになったのか、対立していた1-D号室の住人は青い星空柄のスペースパーカージャケットのフードを被った後ろ姿しか見えない。
「ふひぃ…ふひぃ」
見つかった動揺から荒い息の中年男。
「失せろと言っているだろ、醜い豚め」
(1-D号室さん、そんな風に煽っちゃ危ない…俺も応援に行こう!)
相手をキレさせかねない1-D号室の住人の言動に笑武は急いで階段を駆け下りた。
「あ、あの…何事ですか」
笑武の到着と同時に駐輪場から1番近い部屋の朔未が恐る恐る顔を覗かせた。部屋の位置的に声もよく聞こえたのだろう。
「ふひぃ…ひ…姫ぇぇ」
泣きそうな声で呼びかける中年男。単純に気持ちが悪い。
(え…今、姫って言った)
「大きな声が聞こえたので…心配で」
「俺も律紀さんの所に挨拶に行ってたんですけど、下から怒鳴り声がしたので慌てて降りてきました」
「あの人が、笑武くんの言っていた不審者ですか?」
「はい、間違いないです!前もあのニット帽を被っていました…朔未さん、見覚えは?」
「いえ…覚えはないです、でもお客様だとしたら、常連さん以外は会ったことがあっても覚えていない可能性はあります」
「そこ!ベラベラと煩いぞ」
笑武と朔未の会話に一撃が入る。共にビクッと驚いて固まる2人。
「あ、あの…1-D号室、さん…あまり煽らない方が」
「おい豚!」
(駄目だ、聞いてない)
「ブヒブヒと煩いぞ、失せろと言ったのが聞こえなかったか」
「ふ、ふひ…姫…」
鞭でも持っていそうな高圧的言動。笑武と朔未はまったく口を挟めなくなった。
圧力に負けた中年男は腰を抜かし掛けながら走り去って行った。
「…朝から気分が悪くなった」
独り言を呟いて部屋に戻ろうとする1-D号室の住人。相変わらずフードで顔はよく見えないが、すれ違い際に黒いマスクとふわりと柔らかい毛質の長い前髪が見えた。星空柄のパーカーと似た青紫の髪。
(わ、綺麗な色の髪だなぁ…)
「待ってください、さっきの方は貴方の知り合いですか」
朔未が声を掛けるとフッと鼻で笑う気配。
「俺の?」
「…す、すみません」
「自分の胸に聞いたらどうだ、あんたが出てきた途端にブヒブヒと喜んでいたじゃ無いか」
「っ…え」
「確かに…朔未さんが出てきた時に姫って聞こえました」
「…そんな」
「または同じタイミングで降りてきた俺かもしれません…個人的に会った覚えはないですけど」
不安そうな表情の朔未に自分にも可能性があると伝えて同じ不安を担おうとする笑武。
「笑武くん…」
「相変わらず、ここの奴らは仲良しこよしだな…俺には関わらないでくれ」
「あの、1-D号室さん!」
「誰だそれは」
「っえ、あ…すみません、名前…聞いてなかったから」
「葵 だ…それ以外で呼ぶ事は許さない」
「分かりました、葵さん、変な人を追い払ってくれたのは感謝します…でも、あんな風に喧嘩腰に言うのは危ないですよ、怒らせてしまうかも」
「それがどうした、震えて懇願すれば相手に余裕を与える、ああいう変態にはその方が危険だ」
「…っ」
「豚の王子によろしくな、オヒメサマ」
葵は、それ以上言わせずに部屋へと戻って行った。
「…な、なんて言うか…圧の強い人ですね」
「俺もほとんど話したことが無かったので驚きました、葵という名前は人伝に聞いた気はしますが…交流が無いので改めて聞くまで失念していましたし」
「…交流はしなさそうですね」
「はぁ…まだ少しドキドキしてます、どちらも怖かった」
中年男だけでなく葵にも怯えていたらしい朔未。
「大丈夫ですか、顔色が悪いですよ」
「ええ…大丈夫です、俺今日は休みなので少し休んできますね…笑武くんも気をつけて」
「はい」
部屋の中に戻ると、朔未は廊下に座り込んだ。
「まさか…うちの、お客様が?」
必死に記憶を探すが、思い出せない。相手にとっては1人の従業員だが、朔未にとっては多くの客の内の1人なのだ。全員を憶えることなど出来ない。
一方、笑武も一応記憶を探ってみたが、思い当たる人物は居なかった。
『笑武の事、虐めたら許さねぇよ?』
自分がピンチの時に必ず助けてくれた兄は笑武にとってヒーロー的な存在で、何かあるとすぐ思い浮かべてしまう。ピンチを招いた原因が兄だった事も多いが。
「…こんな時に、兄さんが居てくれたらな」
助けてくれるのに。つい、そう思ってしまう。物思いに耽っていると、ふと上から視線を感じて見上げる笑武。
3階の通路。位置的には3-D号室の辺りだろうか。誰かが立っていた。白い服に肩まで伸びた長い黒髪。前髪も目が隠れる位置まで長く毛先は人形のようにパツンと切り揃えられている。艶やかで真っ直ぐな黒髪が、やや風に吹かれて靡いて揺れた。性別も素性も分からない、その何者かは静かに姿を消す。見てしまった笑武は冷や汗を流して震える。
「で、で、出たーーー!!」
悲鳴を上げた笑武の肩に気配もなく乗せられる手。
「何が出たの」
「うわーーー!!」
「え…」
驚きすぎて魂が抜けたように膝から崩れ落ちる笑武を後ろから抱えて支える善。
「あ…あれ?善さん」
「ごめんね、驚かしちゃった?」
「はぁ…はい、心臓が飛び出すかと思いました」
苦笑した笑武の心臓の位置に善の手が当てられる。厚手の服の上からでも伝わるバクバクと頻脈気味に早打つ鼓動。
「本当だ、ドキドキしてるね」
「はは…善さんが言うと別の意味に聞こえますね」
「ん?どういう意味?」
ギュ、と後ろから抱き締められて笑武はハッと目を見開く。朝方の善は、仕事帰りの為酔っている事がある。そして酔っている善はキス魔になるとアストに聞いたのを思い出した。
「ぜ、善さんは…今帰りですか?いつもより少し遅かったんですね」
「そうだね、繁忙月だから毎日がクリスマスだよ…さすがに疲れて店で仮眠させてもらって来た…月末はもっと忙しくなるよ、みんな人が恋しいんだね」
香水と、煙草と、アルコールの匂いがする。
「お疲れ様です…ところで、酔ってたりしますか?」
「会話が出来てる時は大丈夫だよ…お酒には強い方だから、酔うのは稀」
「よ、良かった」
善がキス魔にはなっていない事を確認してホッとする笑武。
「それより、さっきは何を叫んでたの…上に何か面白いものでもあった?」
眩しそうに3階を見上げる善。
「あ…そ、そうだった!幽霊さんが!」
笑武も恐々と片目だけで再び視線を3-D号室に向けた。今は、そこに人影はない。
「幽霊さん?…大丈夫、誰も居ないよ」
「でも俺、さっき見たんです…3-D号室の前に、長い黒髪の人が!」
「3-Dは空室だよ、きっと誰かのゲストじゃないかな」
「だけど…こっちを見下ろしてて」
「…それはきっと、笑武ちゃんが可愛かったからだよ」
「え?…ぜ、善さん!冗談じゃなくて、俺は真面目に言ってる…のに」
後ろから抱き締めて来ていた腕が解かれて、前に回り込んできた善に顔を覗き込まれる。
「ん、落ち着こうか…はい、俺を見て」
(う…仕事帰りでもカッコいい…髪のセットとか落ちてきてるのに…いや善さんはセットしてなくてもカッコイイんだろうな…青い目、綺麗だなぁ)
「幽霊なら、残業だったのかな…もう随分と明るいよ」
「そう…ですね、俺の見間違い…だったのかな…でも、それにしてはハッキリ見えたし」
「例え本物でも大丈夫だよ…怖い夜は、俺が連れて行ってあげる」
出会って間もない頃に言われた事のある台詞。あの時は子供扱いされた気になって気恥ずかしかったが、今は同じ台詞で安心出来た。
「もう、とっくに朝になっちゃいましたけどね」
「そうだね」
笑顔を見せた笑武に、善は優しく笑って隙だらけの頰に軽く口付けて離れた。
「?!」
口付けられた頰に触れて赤くなる笑武。
「もう怖くないね、それじゃ…おやすみ」
善にとっては、これからが就寝時間だ。ひらりと手を振って去っていく背中を見送って笑武は別の意味でドキドキしてしまった心臓を抑えるように胸に手を当てた。善にとっては挨拶程度と分かっていても、不慣れな身体は熱ってしまう。
「やっぱりキス魔じゃないですかぁ!」
笑武は何とか、一言だけ文句を言うことに成功した。
(律紀さんと、葵さん…これでやっとヴァルトの全員に挨拶できた…葵さんのは挨拶にならないかもしれないけど、少なくとも面識は出来たし…それに、あの怪しい男の人が言ってる姫も俺か朔未さんの二択まで絞れた…今日は朝から色々あったけど、少し前に進んだ気がする…)
良い事も、悪い事も。
笑武はHeimWaldを振り返る。兄から逃げてきた、自分の居場所。沸き始めた愛着。
「此処に、兄さんは居ない…俺が守らなきゃ、自分もみんなも」
人が恋しい季節。誰を求めて、その手を伸ばす?
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