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第5話
咥内に差し込まれた舌が触れてくるのを控えめに拒むと強く舌を吸われるのでたまらない。思い切り擦り付けたい気持ちを抑えて与えられる感覚だけを必死に追う。脱がされた上着が床に落ちる音とことさらゆっくりと外されるシャツのボタンに焦れったさを感じてぬるつく舌がすべって強く擦れたふりをして鼻から抜ける色を含む息を吐いた。外気にさらされた素肌をなぞる掌にびくりと体を震わせる。
「綺麗な肌だな」
「あっ……、っ、初めてだから、あの」
「ああ、優しくする」
「ッ、んンっ……」
乳首に触れてきた彼の指先は軽く表面だけをなぞって離れてしまった。それを繰り返してくるものだからもっと強く摘み上げて欲しいと、欲望だけが高まって仕方ない。
薄らと涙を浮かべて名前を呼べば視線が絡まる。ああ、格好いい顔だ。
「どんな感じだ?」
「ん、うずうずする」
「俺のも触ってくれるか?」
しゃぶりついて口だけでイかせたいと思うが、我慢を続けて彼のシャツをたどたどしく開いてたくましい胸に頬ずりをしてから乳輪から舐めて小さな乳首に口付けて舌先で触れる。反対側も指で転がせば芯が通り始めた。
気が付けば尻を揉み込んでくれている彼の手が前に伸び、やんわりとペニスに刺激を与えている。
本当はもう、前を触らなくとも後ろだけで気持ち良くなれる。彼と遊んでいた時にも実践しているので、知っているはずだ。孔として使われるばかりで普通のセックスというものがどんなものだったか忘れていた。
「ベッドで全身を見たい」
「う……恥ずかしくて勃たないかも」
「それでもいい」
何でも良いからケツに突っ込んでくれたら勃つのにと、まどろっこしい演技を続けながらもベッドルームへと向かう彼の背中を追う。
広いベッドとチェスト、それから灯かりを点けられたフロアスタンドライトが淡い光で室内を包むシンプルな部屋だ。
腕を掴まれて押し倒された体をベッドの柔らかさが受け止めた。
乳首に欲しかった強い刺激を受け頭が甘やかさに浸り始めたところで下肢に纏うものを全て脱がされ、全てを晒した。羽織ったシャツだけを身に纏い、何とも頼りない。
脚でペニスを隠そうとすれば、膝を割り開かれて尻の孔まで晒すことになった。
「このまま脚開いてろ」
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