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第6話

どろりと生暖かいローションがペニスにたっぷりと落とされた。とろとろと流れるそれがアナルにまで伝い落ちていくので、呼吸するたびにひくつく孔が吸い込んでいく。彼の指が入口の表面を緩く撫で、にちゃにちゃと音をたてている。 使い込みすぎて女の膣と同じ状態だ。 ずぷずぷと指数本突き入れられ、喜ぶように飲み込んでいく。 同時に芯を持ち上向くペニスを片手で支えてみせつけるように揺らす。 「ちゃんと勃ったな」 「興奮してるからね」 埋めてくれるのなら、それだけで良かった。 内側の襞を擦って、しこりを叩いて貰えば頭がふわふわとして良い気分になるのだ。 的確に攻めてくれる指先に、素直に声が出る。 上りつめる途中の快感が続き、その先に進みたいと思ったところで埋まっていた指が全て抜かれた。カチャカチャとベルトを外し、取り出された彼のものを見てベッド上で距離を取れば足首を掴まれた。 「逃げるな」 「無理、無理だよ、そんな大きいの入らない!」 「……やってみないとわからないだろ?」 「ひぅっ! あっ、ァ、ぁあっ!」 優しさはどうした、と思うほど一気に突き上げられ、そのまま自身のペニスから勢いよく精を吐き出してイってしまった。ゴリゴリとナカを擦られ、ペニスまで扱かれ始めて絶頂が続きっぱなしだった。クッションなのかシーツなのかわけもわからず握りしめ、やだやだと首を振っていたが、聞き入れられずに、出る、と思ったと同時に潮が吹き上がり胸元を濡らしていた。ぎゅう、と締まったアナルの奥に熱い粘液が注ぎ込まれている。 「京助、気持ち良かった」 「俺も」 「もう一回抱いて」 「泊まれるのか?」 「今日は大丈夫」 荒い呼吸を繰り返しながら口付けを交わす。 今晩も眠れないだろうなと思う。 玄関先に置いたままの鞄からメールの着信音が聞こえた気がしたが、処女プレイを完遂させたのだからもう演技の必要はないと逸る気持ちばかりが心を占めていた。 □ 春頃に相談を受けた年下の女性社員がまた上司からセクハラを受けたらしい。 その相手に直接向かい合って止めるように言ったし、自分の体で良ければ好きにしていいとも言った。昔から何度もそんなことばかりしていたが、今回も同様に手を引いてくれたし、何度も行為に付き合ってきた。 だが、今回彼女が被害を受けたのは自分に責任があった。 端的に言えば、囲われてくれというもの。 その上司の言葉を断ったのだ。 思い通りにいかないからと他人に鬱憤を向けるのは良くない。 まして、俺の行為に愛情は含まれていないのだ。

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