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第3話

「っあ……ん」  週末、プレミアムフライデーの日。社の方針は残業無しで帰ること、と強く言われていたが、秋人は誰もいない真っ暗な部署の部屋に残り、一人自慰に耽っていた。  初恋だったゴーグルマンが出演していたDVDに収録されていた、リーマンもののドラマを思い出す。何度も見たそれは、セリフも彼らの絡みの体制も全部覚えている。 「ひぃ……っん」  スーツのジャケットもスラックスも下着もしわくちゃで床に落ちているのも気にせず、デスク上で窓に向かって足をM字に開いて座り、両手で昂りを慰める。DVDでゴーグルマンに愛撫されているネコ役のビデオモデルを自分と想像して、手の動きを早めていった。 『気持ちいいのか?』 「っあ、あぁ……っ」 『変態だな』  部署があるフロアはビルの5階にあるため、簡単には外から中が見えない。しかしガラスに写る自分の淫らな姿に、興奮が収まらない。 「やっ、も、イ……ク……ぅ」 『随分堪え性がないんだな』 「っあ、だめ、本当に、だめ……」 『駄目じゃないだろう?ほら、もっと足を開いて』  先端からダラダラと垂れる先走りが、グチュグチュと卑猥な音を室内に響かせた。 「っんぁ、あ、もう、イッちゃう……!」  デスクがガタガタと悲鳴をあげる。腰が揺れ、両足が宙を蹴って、いよいよ達する、その瞬間。 「何してるんですか?」 「っひ!!」  掛けられた第三者の声に、秋人は驚いて白濁を自分の顔に出した。

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